南寧州

南寧州は、中国の歴史において、現在の雲南省曲靖市一帯に存在した州です。その歴史は、西晋時代の271年（泰始7年）に設置された寧州に始まり、その後の南北朝時代を経て、隋、唐、宋、元代に至るまで、その名称と領域を変えながら存続しました。

南寧州の成立と変遷

554年（廃帝3年）、西魏によって豳州（ひんしゅう）が寧州と改称された際、南中の寧州は区別のため南寧州と称されるようになりました。これが南寧州の始まりです。

唐代に入ると、618年（武徳元年）に南寧州が正式に設置され、味（み）、同楽（どうらく）、升麻（しょうま）、同起（どうき）、新豊（しんほう）、隴隄（ろうてい）、泉麻（せんま）、梁水（りょうすい）、絳（こう）の9県を管轄しました。しかし、634年（貞観8年）には郎州（ろうしゅう）と改称されます。

その後、717年（開元5年）には再び南寧州の名称に戻されました。754年（天宝13載）には、唐の剣南留後の李宓（りふ）が南詔（なんしょう）の閣羅鳳（かくらほう）に敗れたことで、南寧州は南詔の占領下に置かれるという苦難も経験しました。

唐末には、清渓鎮（せいけいちん）に再び南寧州が置かれました。

宋代には、南寧州に南寧州蕃落使（なんねいしゅうばんらくし）が置かれました。

元代における南寧州

元代に入ると、1276年（至元13年）に曲靖路総管府（きょくせいろそうかんふ）が置かれ、莫瀰部千戸（ばくびぶせんこ）が南寧州に昇格しました。しかし、1284年（至元21年）には南寧州は南寧県に降格され、その役割を終えました。

南寧州は、その長い歴史の中で、政治的な変動や民族間の抗争に翻弄されながらも、地域社会を支え続けた重要な拠点でした。その名称は、時代とともに変化しましたが、その存在は、雲南省の歴史を語る上で欠かすことのできない要素となっています。

もう一度検索