717年

717年：東ローマ帝国、日本、そしてイスラム世界で歴史が動く

717年は、ユーラシア大陸において様々な出来事が発生し、歴史の大きな転換点となった年です。東ローマ帝国では新たな王朝が興り、日本は盛んに文化交流を行い、イスラム世界では有力な指導者がその生涯を終えました。本稿では、717年における主要な出来事を、それぞれの地域を焦点に詳細に解説します。

東ローマ帝国：イサウリア王朝の始まり

717年、東ローマ帝国ではレオーン3世が皇帝に即位しました。彼はイサウリア地方出身であり、彼の即位によってイサウリア王朝が開かれました。イサウリア王朝は、後世まで東ローマ帝国に大きな影響を与えた王朝として知られています。レオーン3世の治世は、軍事面、政治面で数々の改革が行われ、帝国の安定に大きく貢献しました。彼の即位は、東ローマ帝国の歴史における重要な転換点として位置付けられています。

日本：遣唐使と皇族の誕生、そして貴族たちの死

日本において717年は、霊亀3年から養老元年に改元された年として知られています。この年は、大規模な遣唐使の派遣が実施されました。玄昉、吉備真備、阿倍仲麻呂ら、557名もの使節団が唐へ派遣され、文化交流、技術導入などが盛んに行われました。遣唐使は、日本と唐の交流を深め、日本の文化の発展に大きく貢献しました。また、この年には、後の光仁天皇の皇后となる井上内親王が誕生しました。一方、貴族社会では、巨勢麻呂と石上麻呂という著名な人物が亡くなりました。巨勢麻呂は生年不詳ですが、石上麻呂は640年生まれで、飛鳥時代から奈良時代にかけて活躍した貴族でした。彼らの死は、貴族社会に大きな影響を与えたと考えられます。

イスラム世界：ウマイヤ朝のカリフの死

イスラム世界では、ウマイヤ朝の第7代カリフであったスライマーンが717年に亡くなりました。スライマーンは、積極的な領土拡大政策を行い、ウマイヤ朝の勢力拡大に貢献した人物です。しかし、彼の死後、ウマイヤ朝は内紛や衰退へと向かうことになります。彼の死は、イスラム世界の勢力図に変化をもたらす重要な出来事でした。

その他

717年は、中国では唐の開元5年、朝鮮半島では新羅の聖徳王16年、渤海では大祚栄20年にあたります。これらの地域においても、それぞれの政治情勢、文化状況を反映した出来事が数多く発生しました。

まとめ

717年は、東ローマ帝国の新たな王朝誕生、日本の盛んな文化交流、そしてイスラム世界の権力交代など、ユーラシア大陸各地で歴史の大きな転換点となった年です。それぞれの地域で起こった出来事を詳細に分析することで、717年の歴史的意義をより深く理解することができるでしょう。これらの出来事は、後世の歴史に大きな影響を与え、現代の私たちが生きる世界を形作っている重要な要素の一つです。

もう一度検索