南康府

南康府（なんこうふ）は、中国にかつて存在した府です。その歴史は、北宋時代に遡り、元代を経て明・清代まで存続し、民国初期に廃止されました。現在の江西省九江市南東部に位置し、この地域は歴史的に重要な変遷を遂げてきました。

南康府の成立と変遷

北宋時代:
982年（太平興国7年）、北宋は江州星子県に南康軍を設置しました。南康軍は江南東路に属し、星子県、都昌県、建昌県の3県を管轄しました。この時期、南康軍は地方の軍事・行政拠点としての役割を担っていました。

元代:
1277年（至元14年）、元朝は南康軍を南康路に昇格させました。南康路は江西等処行中書省に属し、録事司、星子県、都昌県の2県と建昌州を管轄しました。これにより、南康地域の行政権限は強化されました。

明代:
1361年、朱元璋は南康路を南康府に改めました。明代の南康府は江西省に属し、星子県、都昌県、建昌県、安義県の4県を管轄しました。この時期、南康府は地域行政の中核として機能し、経済や文化の中心地としての役割も担っていました。

清代:
清代においても、南康府は江西省に属し、明代と同じく星子県、都昌県、建昌県、安義県の4県を管轄しました。清代の南康府もまた、地域行政において重要な役割を果たしました。

中華民国時代:
1913年、中華民国が成立すると、南康府は廃止されました。これにより、南康府の歴史はその幕を閉じ、新たな行政区画へと再編されることとなりました。

南康府の管轄地域

南康府が管轄した地域は、時代によって変動しましたが、主に現在の江西省九江市南東部にあたります。特に、星子、都昌、建昌、安義といった県は、南康府の歴史を通じてその管轄下に置かれ続けました。これらの地域は、それぞれの時代において、南康府の経済、文化、行政を支える重要な役割を担っていました。

南康府の変遷は、中国の地方行政制度の歴史を理解する上で重要な事例の一つであり、その存在は、地域社会の発展と変遷を語る上で欠かせない要素となっています。

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