南木曽大橋

南木曽大橋の詳細

南木曽大橋は、長野県木曽郡南木曽町に位置し、木曽川を跨ぐ形で架けられた橋です。この橋は、国道19号と国道256号が重複する区間にあり、地域の交通において重要な役割を担っています。

構造と仕様

南木曽大橋は、鋼単純鈑桁橋と鋼3径間連続箱桁橋を組み合わせた構造を持っています。これは、橋の強度と安定性を確保するための設計です。

橋格: 1等橋 (TL-20)の基準を満たしており、大型車両の通行にも対応しています。
全長: 橋の全長は246.500メートルで、木曽川を横断するのに十分な長さがあります。
支間割: 支間割は、24.300メートル + ( 65.000メートル + 85.000メートル + 70.000メートル )と定められており、これにより橋全体の荷重を効率的に分散しています。
幅員: 橋の総幅員は12.500メートル、有効幅員は11.000メートルです。車道幅員は9.000メートル、片側に2.000メートルの歩道が設けられており、車両と歩行者の安全な通行を確保しています。
総鋼重: 橋に使用された鋼材の総重量は1104.972トンにもなります。
床版: 床版は鉄筋コンクリートでできており、耐久性に優れています。
施工: 片山ストラテック、川崎重工業、栗本鐵工所といった複数の企業が施工を担当しました。
架設工法: トラッククレーンベント工法が採用され、効率的な建設が行われました。

歴史的背景

南木曽大橋の建設には、歴史的な背景があります。明治時代には、中山道の改良工事が行われましたが、馬籠宿・妻籠宿付近の急な勾配を避けるため、1892年（明治25年）に木曽川沿いに新たな道（賎母新道）が開通しました。しかし、1955年（昭和30年）に山口ダムが完成したことで、この道は水没し、トンネル（賎母隧道）への付け替えが行われました。

その後、昭和40年代以降のモータリゼーションの進展に伴い、交通量が大幅に増加し、慢性的な渋滞が発生するようになりました。この問題を解決するため、旧中央本線の跡地を利用したバイパス建設が計画され、このバイパスに接続するために、南木曽大橋が新たに架橋されることになりました。この橋は1982年（昭和57年）12月に供用が開始され、現在に至るまで、南木曽町の交通を支える重要なインフラとなっています。

南木曽大橋は、単なる道路橋としてだけでなく、地域の歴史と発展を象徴する存在と言えるでしょう。

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