南沙織 ベスト・ヒット

南沙織 ベスト・ヒット

2013年4月10日、ソニー・ミュージックダイレクトより発売されたアルバム『南沙織 ベスト・ヒット』は、規格品番DQCL-2125として市場に登場しました。この作品は、日本のアイドルシーンで一時代を築いた南沙織さんが、1970年代に単独名義で発表した全てのシングルレコード、計28枚のA面曲の中から厳選された楽曲で構成された、珠玉のベストアルバムです。南沙織さんの歌手活動における黄金期ともいえる時代のヒット曲が網羅されており、彼女の魅力的な歌声と時代の空気を感じさせるサウンドを改めて堪能できる一枚となっています。

本作のリリースは、『南沙織 スーパー・ヒット』（規格品番DQCL-6025）と同時期に行われました。これらのアルバムが特筆される理由の一つに、公式なオリジナル・カラオケ音源の収録が挙げられます。これは、1982年10月に日本国内でCDの一般販売が開始されて以降、南沙織さんの一般向けにリリースされたCDアルバムにオリジナル・カラオケが収められた、比較的初期の作品群の一つであるという点で非常に重要です。当時、シングルのオリジナル音源のカラオケバージョンが商業的に流通する機会は限られており、ファンにとっては歌唱練習や個人的な利用のために非常に価値のある音源でした。このカラオケ音源のうち、「17才」は同時発売の『スーパー・ヒット』にも含まれていましたが、「色づく街」のオリジナル・カラオケは、この『南沙織 ベスト・ヒット』に限定して収録されています。これは、アルバムごとに異なる特色を持たせるための配慮であり、両方のアルバムを入手する意義を高めています。

この『ベスト・ヒット』という企画自体は、発売元であるソニー・ミュージックダイレクトが展開する一連のシリーズ企画の一環として展開されました。これは、1970年代に華々しくデビューし、音楽シーンを彩った多くのアーティストたちのカタログ音源を、現代のリスナーに向けて再び紹介することを目的としたものであり、比較的購入しやすい価格設定で提供されることが多かったようです。南沙織さん以外にも、天地真理さん、よしだたくろうさん、太田裕美さん、五輪真弓さんといった、当時の人気歌手たちの作品がこのシリーズで同時にラインナップに加わっており、当時の日本の歌謡曲シーンを振り返る上でも興味深い企画と言えます。

本アルバムには、南沙織さんのキャリアを代表するヒット曲が多数収録されています。以下にそのリストと収録時間、およびオリジナルシングルがリリースされた年を示します。（作詞・作曲・編曲者は本項では割愛します）

17才（1971年）：2分45秒
潮風のメロディ（1971年）：3分29秒
ともだち（1972年）：3分7秒
純潔（1972年）：3分1秒
哀愁のページ（1972年）：2分47秒
早春の港（1973年）：2分50秒
傷つく世代（1973年）：2分36秒
色づく街（1973年）：2分49秒
ひとかけらの純情（1973年）：3分5秒
夜霧の街（1974年）：3分14秒
人恋しくて（1975年）：4分22秒
春の予感 -I've been mellow-（1978年）：3分8秒

これらの12曲は、南沙織さんの主要なシングルA面曲を網羅しており、彼女の音楽的な変遷を辿ることができます。加えて、本作には特典ともいえるオリジナル・カラオケ音源が2トラック収録されています。

17才（オリジナル・カラオケ）（1971年）：2分44秒
色づく街（オリジナル・カラオケ）（1973年）：2分50秒

合計14トラックが収録されており、往年の名曲をオリジナル音源で楽しむだけでなく、貴重なカラオケ音源を通じてより深く楽曲に触れることができる構成となっています。2013年の発売当時、これらの企画盤は往年のファンを中心に大きな反響を呼び、南沙織さんの音楽が世代を超えて愛され続けていることを改めて証明しました。

もう一度検索