南由布駅

南由布駅：由布院の玄関口を支える歴史と現在

大分県由布市湯布院町に位置する南由布駅は、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線沿線にある駅です。1925年（大正14年）に国有鉄道の駅として開業して以来、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として長く親しまれてきました。本稿では、南由布駅の開業から現在までの歴史、駅舎の構造、利用状況の変遷、周辺環境、そして隣の駅との関係性について詳細に解説します。

開業から現在までの歴史

南由布駅は1925年（大正14年）7月29日に開業しました。開業当初は貨物輸送も行われていましたが、1962年（昭和37年）10月1日に貨物扱いが廃止。その後、1971年（昭和46年）2月10日には荷物扱いも廃止され、無人駅となりました。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からはJR九州が運営を引き継いでいます。1992年（平成4年）7月15日には交換設備が設置され、1993年（平成5年）3月22日には駅舎が改築。現在の木造平屋建ての純和風建築へと生まれ変わりました。

駅舎の構造と特徴

南由布駅は地上駅で、相対式ホーム2面2線を有しています。ホーム間は構内踏切で連絡しており、利用者は容易に反対側のホームへ移動できます。無人駅であるため、自動券売機や窓口は設置されていません。駅舎は1993年の改築で、落ち着いた雰囲気の純和風建築となっています。木造の温かみと、由布院の自然に溶け込むようなデザインが特徴です。

利用状況の変遷

開業当初から平成時代にかけて、南由布駅の利用状況は大きく変化しました。1965年（昭和40年）度の年間乗車人員は98,579人でしたが、2015年（平成27年）度には18,548人に減少しています。これは、自動車の普及や生活スタイルの変化など、社会情勢の変化を反映していると考えられます。定期利用者と、定期外利用者の割合も時代とともに変遷し、近年では定期利用者の割合が高くなっていることが分かります。

駅周辺の環境

南由布駅の周辺には、湯布院ハーベストファームや南由布郵便局などの施設があります。また、国道210号や大分県道・熊本県道11号別府一の宮線といった主要道路も駅近くに位置しており、交通アクセスにも恵まれた環境です。周囲は自然豊かな環境に囲まれ、観光客にも人気のエリアとなっています。

隣の駅

久大本線において、南由布駅の隣駅は、由布院駅と湯平駅です。由布院駅は観光地として有名な湯布院温泉の最寄駅であり、多くの観光客が利用しています。一方、湯平駅は、由布院温泉と並ぶ別府温泉郷の一つである湯平温泉の玄関口となっています。南由布駅は、これらの主要観光地を結ぶ重要な役割を担っています。

まとめ

南由布駅は、長年にわたって地域の交通を支えてきた歴史ある駅です。近年は利用客数の減少という課題を抱えながらも、駅舎の改築や周辺環境整備など、地域社会に貢献するための努力が続けられています。今後も、地域の交通拠点として、そして観光客の受け入れ口として、重要な役割を担っていくことが期待されます。

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