湯平駅

湯平駅：由布院への玄関口、そして寅さんの思い出の地

大分県由布市湯布院町に位置するJR九州久大本線湯平駅は、豊かな自然に囲まれた温泉郷、湯平温泉の最寄り駅として知られています。特急列車「ゆふ」号も停車する利便性の高い駅ですが、「ゆふいんの森」号は停車しません。

歴史を刻む駅舎

湯平駅は1923年、大湯線の延伸に伴い開業しました。その後、路線の延伸や駅舎の増築、改築を経て現在の姿へと変化を遂げています。1971年には貨物取扱いを廃止し業務委託駅となり、1984年には無人駅となりました。国鉄分割民営化後も、JR九州により運営が続けられています。2012年の九州北部豪雨時には、通常は通過する特急「ゆふいんの森」が臨時停車するなど、地域の交通の要として重要な役割を担ってきました。かつては急行列車「ゆのか」「ゆふ」も停車しており、賑やかな時代を反映しています。

寅さんとの出会い：思い出の待合所

湯平温泉は映画『男はつらいよ』シリーズの舞台にもなった場所です。特に第30作目『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』のロケ地として有名で、地域活性化の取り組みとして、2006年には2番ホームの待合所が「寅さん思い出の待合所」として改装されました。ロケ時の写真や、渥美清さんが実際に使用したベンチ「縁結びのベンチ」などが設置され、多くのファンが訪れる観光スポットとなっています。駅ノートも設置されており、訪問者の思いが記されています。

駅の構造と周辺環境

湯平駅は地上駅で、相対式ホーム2面2線を有しています。ホーム間は跨線橋で連絡しており、無人駅として運営されています。駅舎内には下川簡易郵便局があり、かつては観光案内所やJAも入居していましたが、現在は閉鎖されています。

駅周辺には、湯平温泉街、国道210号、湯平幼稚園などがあります。しかし、湯平温泉街までは約3.5キロメートルと離れており、タクシーが主なアクセス手段です。かつてはバス路線も運行されていましたが、現在は廃止されています。そのため、温泉街へのアクセスには注意が必要です。

利用状況と今後の展望

開業当初は、多くの乗降客と貨物、手荷物の取扱いを記録していました。しかし、時代の変遷とともに利用状況は変化し、近年は減少傾向にあります。それでも、湯平温泉への玄関口として、そして寅さんの思い出を伝える場所として、湯平駅は地域に根付いた存在であり続けています。今後の発展と利便性向上のため、さらなる取り組みが期待されます。

アクセス情報

最寄りの駅: 湯平駅（JR九州久大本線）
交通手段: 電車、タクシー

隣接駅

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