占守 (海防艦)

軍艦占守（しむしゅ）

概要

海防艦占守（しむしゅ）は、日本海軍に属し、1938年11月から1940年6月にかけて建造された艦艇です。その名称は占守島に由来し、竣工当初は軍艦籍を持っていましたが、1942年7月には海防艦に類別変更されました。占守型海防艦の初艦であり、北方警備を目的として開発されました。戦争中、占守は主に東南アジア地域で活動し、多くの任務を遂行しました。

艦歴

竣工までの経歴

占守は、1,200トン型の海防艦として計画され、1940年6月30日に玉造船所で竣工しました。艦長には荘司喜一郎中佐が任命され、舞鶴鎮守府に属することとなりました。

太平洋戦争緒戦

1940年7月、占守は第二遣支艦隊に編入され、南方へ進出しました。南方作戦の最中、占守はマレー半島の防衛と船団護衛を行い、ぜひとも重要な役割を担いました。特に、1941年1月には仏印進駐に伴いベトナム地域での海岸警備任務を行い、フランス艦隊の活動監視にも貢献しました。

1942年1月から3月にかけては、南遣艦隊に参加し、マレー侵攻と独自の作戦を展開。その中での船団護衛任務や、機雷掃海など多彩な任務を遂行しました。特に英艦プリンス・オブ・ウェールズ沈没の情報を得るための任務もこなしました。この期間中、占守は知識を蓄え、様々な経験を積み重ねました。

海防艦としての活動

1942年7月に海防艦に分類替えされた占守は、以後も東南アジアでの警備任務を継続しました。シンガポールでの修理、整備を経て、南方での任務に復帰しました。多号作戦には海防艦として参戦し、レイテ島への輸送任務などを行いました。

特に輸送艦の護衛任務では、占守は多くの危険を伴う任務を経験し、多くの艦船を守る活躍をしました。敵の潜水艦による脅威に頻繁に直面し、致命的な被害を受けることもありましたが、それでも艦は任務を全うしました。

終戦後の有様

戦争終結後、占守は復員輸送に従事し、1947年にはソビエト連邦に引き渡されました。ソ連では「護衛艦」として再編成され、後に解体されるまでの間、多くの任務に従事しました。

まとめ

軍艦占守は、太平洋戦争中を通じて多くの海上任務に携わり、その任務遂行において輝かしい役割を果たしました。終戦後も、別の国に引き渡されるまで艦艇として運用され続けるなど、その歴史は一つの軍艦としての物語を彩っています。占守の艦歴は、日本の海防艦の一例として、戦争の厳しい現実を示すものでもあります。

もう一度検索