占守郡

占守郡の概要

占守郡（しゅむしゅぐん）は、北海道の千島国に属していた郡で、根室支庁に位置していました。1940年の時点で、人口は1,805人、面積は3,291平方キロメートルでした。この地域は完全に千島列島北部の島々で構成されており、町村制は導入されていなかったため、特定の町村に所属していなかったのが特徴です。2010年までは法的に名前だけが残存していました。

地域の特徴

占守郡の中心的な集落は幌筵島にある柏原でした。ここには駐在所や季節開業の郵便局など、いくつかの行政機関も設置されました。そのほかの集落としては加熊別、村上、摺鉢があり、これらの地域には缶詰工場が建設されました。また、占守島の片岡でも缶詰工場が操業しており、この地域は北洋漁業の重要な基地として発展しました。夏季には函館や小樽からの船が定期的に訪れるほか、最も多くの住民がこの地域に定住していました。

占守郡の東端は東経155度を越えており、日本の中央標準時（UTC+9）としては東経135度を基準にしていました。

郡域の構成

この郡は、1876年から2010年まで、一度も変更されることはありませんでした。具体的には以下の島嶼や海峡が含まれていました：

• - 占守海峡
• - 占守島（シムシュ島）
• - 幌筵海峡
• - 幌筵島（パラムシル島）
• - 磐城海峡
• - 阿頼度島（アライド島）
• - 志林規海峡
• - 志林規島（シリンキ島）
• - 温禰古丹海峡
• - 温禰古丹島（オンネコタン島）
• - 大和水道
• - 磨勘留島（マカンル島）
• - 春牟古丹海峡
• - 春牟古丹島（ハリムコタン島）
• - 捨子古丹海峡
• - 捨子古丹島（シャスコタン島）
• - 越渇磨海峡
• - 越渇磨島（エカルマ島）
• - 知林古丹島（チリンコタン島）
• - 牟知列岩（ムシル列岩）
• - 牟知海峡

歴史的沿革

占守郡は1876年に設立され、千島国に組み込まれました。明治11年には占守島の千島アイヌが日本国籍を取得し、数年後にはすべてのアイヌ人がこの地域に定住しましたが、1884年には占守島全体が無人化します。明治と大正、大部分の時期では明確な住民数が記録されており、1906年に北洋漁業が本格化すると再び賑わいを見せました。

1940年には、陸軍の基地が設置され、特に幌筵島ではアメリカ軍の脅威に備えた施設が建設され、その後、1945年にソ連軍が上陸し占守島の戦いが勃発します。その後、日本は降伏文書に署名し、占守郡はソ連の支配下となりました。1952年には、日本政府がサンフランシスコ講和条約に基づいてこの地域への領有権を放棄しました。

人口推移

地域の人口は、歴史的に変動がありました。明治時代には先住のアイヌが約100人居住していましたが、1884年には無人化。その後、1880年代から1910年代にかけて入植者や漁業に従事する人々が増加します。1930年に行われた国勢調査では424人の氏名が記載され、1940年には再び1,805人に達しました。この時期には、一般市民と軍人が共に生活していた事も記録されています。

終わりに

占守郡は、北海道の歴史と地形が交差する場所であり、その影響を受けた多人種の人々と文化が共存していました。占守郡の歴史は、北海道の北限に位置した地域としての独自の物語を語りかけています。

もう一度検索