厚東篤太郎

厚東篤太郎：激動の時代を駆け抜けた陸軍中将

厚東篤太郎（こうとう とくたろう）は、1878年（明治11年）7月22日に生まれ、1958年（昭和33年）9月18日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。

生い立ちと初期の軍歴

山口県に本籍を持ち、東京府で厚東武直陸軍大佐の長男として生を受けました。成城学校を経て、1898年（明治31年）11月に陸軍士官学校（10期）を卒業。翌年6月には歩兵少尉に任官し、歩兵第47連隊に配属されました。その後、中央幼年学校生徒隊付を経て、日露戦争には遼東守備軍副官として出征しました。

エリート軍人としてのキャリア

日露戦争後、関東都督府陸軍副官を務めた後、1910年（明治43年）11月には陸軍大学校（22期）を卒業。歩兵第3連隊中隊長に就任し、着実にキャリアを重ねていきます。1911年（明治44年）9月には第10師団参謀、1912年（明治45年）3月には歩兵少佐に昇進し、歩兵第6連隊付となります。その後、歩兵第6連隊大隊長を経て、1915年（大正4年）3月には皇族付武官（秩父宮雍仁親王付）に任命され、皇室との関わりも持ちました。

1920年（大正9年）8月には歩兵大佐に昇進し、1922年（大正11年）8月には歩兵第37連隊長に就任。さらに、第8師団参謀長を経て、1924年（大正13年）4月には陸軍少将に進級し、歩兵第32旅団長となりました。

旅順要塞司令官から師団長へ

1925年（大正14年）5月には陸軍士官学校本科長となり、陸士幹事を経て、1929年（昭和4年）8月には陸軍中将に進みました。その後、旅順要塞司令官という要職に就任。1931年（昭和6年）10月には第11師団長に親補され、第一次上海事変では動員されましたが、停戦に伴い帰還しました。1933年（昭和8年）3月には待命となり、予備役編入となりました。

退役後の生活と公職追放

退役後の1935年（昭和10年）12月には、三笠宮家別当に就任し、皇室との関係を維持しました。しかし、1947年（昭和22年）11月28日には公職追放仮指定を受けることになります。

栄典

厚東篤太郎は、その功績により以下の位階と勲章を授与されています。

位階
1902年（明治35年）2月20日 - 従七位
1933年（昭和8年）4月28日 - 従三位
勲章等
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

親族

厚東篤太郎の親族には以下のような人物がいます。

義父: 小池靖一（衆議院議員・貴族院議員）
養子: 厚東隆男（陸軍中佐）
義兄: 河村正彦（陸軍中将）

まとめ

厚東篤太郎は、明治から昭和にかけて、日本の陸軍において重要な役割を果たした人物です。日露戦争から第一次上海事変まで、激動の時代を軍人として生き抜き、その後の日本の歴史に深く関わりました。その生涯は、日本の近代史を語る上で欠かせないものとなっています。

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