原伸次

原 伸次（はら しんじ）

1962年11月3日、広島県三次市に生まれた原伸次は、多岐にわたるキャリアを持つ日本の元プロ野球選手です。現役時代は捕手および内野手としてプレーし、引退後はコーチや野球解説者としても活動。現在は広島市内で鉄板焼き店を経営しています。

高校時代からプロ入りへ

地元の強豪、広陵高等学校に進学した原は、チームの主軸として活躍しました。4番打者、そして捕手として、渡辺一博投手とのバッテリーでチームを牽引。1980年には、春夏連続で甲子園の土を踏んでいます。春の選抜大会では準決勝まで進みましたが、高知商業のエース、中西清起投手の前に惜しくも敗退しました。夏の選手権大会でも順調に勝ち進みましたが、準々決勝で藤本博史選手を擁する天理高校に敗れています。当時のチームには、後に高校野球指導者として名を馳せる中井哲之氏も同期として所属していました。

高校卒業後、1980年のNPBドラフト会議で、広島東洋カープから4位指名を受け、捕手としてプロの道へ進みました。プロ入り後は内野手へのコンバートを経験し、チーム事情に合わせてポジションを移しました。登録名も、1989年からは「伸樹」（読みは同じ「しんじ」）に変更しています。

選手としてのキャリア

広島カープでは、内野手として出場機会を得るようになります。特に1985年には二塁手として、木下富雄選手や正田耕三選手らと併用され、37試合で先発メンバーに名を連ねるなど、一定の役割を果たしました。しかし、翌年以降は正田選手が二塁手に定着したことで出場機会が減少し、苦しい時期を過ごします。それでも、1989年からの2年間は再び捕手としても起用されるなど、ユーティリティプレイヤーとしての側面も見せました。1991年には、チームのセ・リーグ優勝に貢献。同年の日本シリーズにも三塁手として2試合に先発出場し、代打として二塁打を放つなど、ポストシーズンでも存在感を示しました。広島には1994年シーズン途中まで在籍し、その後、金銭トレードにより横浜ベイスターズへ移籍。横浜で1995年シーズン限りで現役生活に幕を下ろしました。

引退後の活動

現役引退後、原は指導者としての道を歩み始めます。1996年からは古巣である広島東洋カープでコーチを務めました。この間、2000年には登録名を本名の「伸次」に戻しています。2003年には活躍の場を海外にも求め、台湾プロ野球の統一ライオンズでコーチを務めました。帰国後は、2004年に中国放送の野球解説者としてメディアの世界へ。2005年からは中日ドラゴンズの打撃コーチに就任しましたが、2006年に退任しています。その後、2008年には再び中国放送の解説者として復帰する予定があったと報じられましたが、実現には至らなかったようです。近年では、2014年よりテレビ新広島のスポーツコーナー「Hiroshima Sports」に準レギュラーとして出演し、野球解説を行っています。

プロ野球界を離れた後は、広島市内で「Haraya」という鉄板焼き店を経営しており、第二の人生を歩んでいます。

エピソード

高校時代にバッテリーを組んだ渡辺一博投手は、ロッキングモーションのアンダースローというユニークな投球フォームで注目を集めました。甲子園大会後、そのフォームについて審判から指摘を受けた経験を基にした弁論で、「第27回NHK青年の主張全国コンクール」に出場し、準優勝を飾るという逸話が残っています。また、2018年に放送されたテレビ番組「ファン10万人がガチで投票! 高校野球総選挙!」では、MCの太田光氏が自身の好きな高校球児として原の名前を挙げ、広陵高校での活躍やその後のプロ入り、現在の鉄板焼き店経営に触れる一幕がありました。

主な記録

初出場: 1981年6月28日 対読売ジャイアンツ戦（後楽園球場） - 7回表に代打として出場
初安打: 1981年8月8日 対読売ジャイアンツ戦（後楽園球場） - 7回表に代打として出場、加藤初投手から単打
初打点: 1984年9月20日 対阪神タイガース戦（広島市民球場） - 3回裏に代打として出場、工藤一彦投手から適時打
初先発出場: 1984年10月8日 対阪神タイガース戦（広島市民球場） - 7番・二塁手として先発
初本塁打: 1985年6月19日 対中日ドラゴンズ戦（広島市民球場） - 9回裏に郭源治投手からソロ本塁打

背番号

27（1981年 - 1994年途中）
29（1994年途中 - 1995年）
84（1996年 - 2003年）
85（2005年 - 2006年）

登録名

原 伸次（1981年 - 1989年5月21日）
* 原 伸樹（1989年5月22日 - 1995年）

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