原家住宅

原家住宅は、山梨県富士吉田市上吉田に位置し、北口本宮冨士浅間神社の門前に佇む大正時代の住宅建築です。かつては御師・竹屋家（後に竹谷家）が代々住み続け、富士講の御師の住宅として重要な役割を果たしました。2017年10月には、その歴史的価値と建築美が認められ、国の登録有形文化財（建造物）に登録されています。

概要

原家住宅は、富士山北口に存在した数多くの御師住宅の中でも、その代表的な建築物の一つとして知られています。かつて、この地には86軒もの御師住宅が軒を連ねていましたが、原家住宅は当時の面影を今に伝える貴重な存在です。

建物は、北口本宮富士浅間神社の参道から続く富士みち（国道137号と国道139号の重複区間）の西側に位置する細長い敷地内に建てられています。参道から石柱門をくぐり、細長い通路であるタツミチを進むと中門が現れ、そこからヤーナ川（禊ぎを行う小川）を渡った先に母屋が建っています。母屋の後方には渡廊下が設けられ、御神前へと繋がっています。この構造は、富士山御師の住宅形式を色濃く残しています。

一般的な富士山御師の住宅と同様に、原家住宅は単なる住居としてだけでなく、宿坊としての機能も兼ね備えていました。参拝者や登山者を受け入れ、宿泊や食事の世話をし、御神前で祈祷を行うなど、参詣者と神仏の仲立ちとしての役割も担っていました。しかし、現在は個人宅であるため、一般には非公開となっています。

歴史

御師・竹屋家は、上吉田の町が成立した1572年から約400年続く家柄であり、地域に深く根ざしていました。明治時代には姓を竹屋から竹谷に改め、大正時代（1912～1926年）には、竹谷家によって主屋が建てられました。その後、昭和時代に縁戚である原家が竹谷家の住居を受け継ぎ、現在に至っています。

原家住宅は、保存状態が非常に良く、その歴史的価値が高いことから、2017年10月に国の登録有形文化財に登録されることになりました。この登録は、原家住宅が持つ文化的な意義と、後世に伝えるべき貴重な歴史遺産であることを示しています。

関連情報

原家住宅の他にも、富士吉田市には歴史的な価値を持つ住宅建築がいくつか存在します。

旧外川家住宅（山梨県富士吉田市）
小佐野家住宅（山梨県富士吉田市）
* 上文司家住宅（山梨県富士吉田市）

これらの住宅もまた、それぞれの時代背景や建築様式を色濃く残しており、富士吉田市の歴史と文化を理解する上で重要な要素となっています。

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