原州

原州（げんしゅう）とは

原州は、中国にかつて存在した州であり、その歴史は南北朝時代からモンゴル帝国時代にまで及びます。現在の寧夏回族自治区固原市、あるいは甘粛省鎮原県一帯に位置していました。この地域は、古代から交通の要衝であり、様々な勢力が興亡する中で、原州もその姿を変えてきました。

魏晋南北朝時代

436年、北魏により高平鎮が設置されたことが、原州の歴史の始まりとなります。その後、524年に高平鎮は原州へと改称されました。この時、原州は高平郡と長城郡という2つの郡、そして4つの県を管轄していました。

西魏の時代になると、高平郡は平高郡へと名称が変更されました。

隋代

隋の時代に入ると、原州は2つの郡と5つの県を管轄するようになりました。しかし、583年に隋が郡制を廃止したため、原州の属郡は廃止されました。607年に州が廃止され郡が置かれると、原州は平涼郡と改称され、5つの県を管轄するようになりました。

唐代

唐代になると、618年に平涼郡は原州に戻されました。しかし、742年には再び平涼郡と改称され、758年にはまた原州に戻るというように、名称が頻繁に変更されました。この時代、原州は関内道に属し、平高、平涼、百泉、蕭関の4つの県を管轄していました。しかし、808年に吐蕃の侵攻により平高と蕭関の2県を失ったため、原州の州治は臨涇県に移されました。

宋代

北宋時代、原州は秦鳳路に属し、臨涇、彭陽の2つの県と、新城、柳泉の2つの鎮、そして開辺、西壕、平安、綏寧、靖安の5つの砦、さらに安羌、新城の2つの堡を管轄していました。

金の時代には、原州は慶原路に属し、臨涇、彭陽の2つの県と、柳泉、新城、蕭関の3つの鎮、さらに綏寧、平安、靖安、開辺、西壕の5つの寨を管轄していました。

元代

1270年、モンゴル帝国によって原州は廃止され、鎮戎州と統合されて鎮原州が成立し、原州としての歴史は幕を閉じました。

原州は、その歴史の中で何度も名称や管轄地域を変えながらも、この地域の行政と文化の中心としての役割を果たし続けました。その変遷は、中国の歴史と行政制度の変遷を如実に示しており、歴史を研究する上で重要な事例の一つと言えるでしょう。

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