原彪

原彪（はら ひょう）

原彪（はら ひょう、本名：彪之助（たけのすけ）、1894年11月24日 - 1975年12月17日）は、日本の政治家、政治学者であり、衆議院副議長を務めました。

生涯

岡山県小田郡金浦村（現在の笠岡市）に生まれました。岡山一中、第一高等学校を経て、1921年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業。卒業後は、文部省嘱託、鉄道省鉄道講習所講師、明治大学講師などを経て、1928年に法政大学教授に就任し、政治学・政治史を講じました。

学生時代から社会主義に共鳴し、1924年には安部磯雄らと社会主義研究団体「日本フェビアン協会」を結成。その後は安部を補佐し、1932年に安部を委員長とする社会大衆党が結成されると、原も入党して中央執行委員となりました。戦後、1945年の日本社会党結成に参加し、結党宣言を起草しました。翌1946年の第22回衆議院議員総選挙に旧東京1区から立候補して当選し、以後8回当選しました。

政治的な立場としては右派に属していましたが、戦後の連立政権運営をめぐり、片山哲や西尾末広らと意見が合わなくなり、1951年の社会党分裂では左派社会党に所属しました。その後は護憲運動や日中国交回復運動に尽力。1953年から1954年には、社会党議員として初めて衆議院副議長を務めました。

1960年代に入ると、佐々木更三派と江田三郎派の抗争が激化する状況を憂慮し、有志議員と「挙党体制確立期成同盟」を結成して党内融和に努めました。しかし、このことが党内主流派である佐々木派幹部の反感を買い、1967年の第31回衆議院議員総選挙では旧東京8区から立候補したものの、公認の遅れや佐々木派による2人目の候補擁立（依田圭五）の影響で落選し、政界引退を余儀なくされました。

1975年12月17日、急性肺炎のため逝去。享年81歳でした。

人物

原彪は、政治家でありながら、謹厳実直な学究肌の人物でした。一方で、学生時代から歌舞伎、講談、落語を愛好する一面もあり、8代目林家正蔵らとの交流がありました。

原彪は、日本の政治史において、社会主義運動や戦後の社会党の形成に深く関わった人物として記憶されています。また、衆議院副議長を務めるなど、議会政治においても重要な役割を果たしました。

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