原田忠幸

ジャズ界の重鎮、バリトンサックス奏者 原田忠幸

1936年、京都府に生まれた原田忠幸は、日本を代表するジャズ・ミュージシャン、バリトンサクソフォーン奏者である。彼の音楽人生は、名門ジャズ一家で育まれた才能と、類まれな音楽性、そして幾多の挑戦によって彩られている。

幼少期より音楽に囲まれた環境で育った原田は、1946年、クラリネット奏者レイモンド・コンデ氏に師事。その後独学でバリトンサクソフォーンを習得し、その卓越した才能を開花させていく。

1956年、人気バンド「原信夫とシャープスアンドフラッツ」に入団。この経験は、若き原田にとって大きな飛躍の機会となった。翌年には同バンドを退団し、「西条孝之介とウェスト・ライナーズ」に参加。さらに音楽的探求を深めていく。

1966年、原田は新たな挑戦としてアメリカ合衆国へ渡る。ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンとして活動を開始し、ハリウッドの華やかな音楽シーンに身を投じる。翌1967年には歌手の雪村いづみと結婚。その後ラスベガスに移り、3年間、ショーの伴奏など幅広く活動した。

アメリカでの経験を経て、1971年に帰国した原田は、自身のバンド「ザ・ハーツ」を結成。バンドリーダーとして、自身の音楽性を追求する道を歩み始める。その後も「前田憲男とウィンド・ブレイカーズ」や「ザ・サード」など、数々の著名なバンドに参加し、精力的に演奏活動を続ける。

原田忠幸のジャズへの情熱は、彼の家族にも受け継がれている。彼の父はジャズ・ドラマーのジミー原田、兄は同じくジャズ・ドラマーの原田イサム。さらに、イサムの子、つまり原田忠幸の甥にあたる原田俊太郎もジャズ・ドラマーであり、あの伝説的なバンドTHE SQUARE（現T-SQUARE）の結成メンバーとして名を馳せた。

数々のバンド活動、そしてアメリカでの経験、さらに音楽一家に育まれた才能と情熱。これらが融合し、日本のジャズシーンに独自の足跡を残してきた原田忠幸。彼のバリトンサックスの音色は、今もなお多くの人々の心に響き渡っている。

彼の音楽人生は、常に挑戦と探求の連続だったと言えるだろう。ジャズへの飽くなき情熱と探究心、そして高い音楽性によって、彼は日本のジャズ界に確固たる地位を築き上げた。これからも彼の音楽は、多くのジャズファンを魅了し続けるだろう。

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