原脩次郎

原 脩次郎とは

原 脩次郎は、1871年7月1日（旧暦明治4年5月14日）に生まれ、1934年3月6日に亡くなった、明治後期から昭和初期にかけて活躍した日本の実業家であり政治家です。現在の京都府綾部市で、原虎好の次男として生を受けました。

生い立ちと初期の道のり

故郷の綾部で育ち、1884年3月に綾部小学校を卒業しました。その後、1886年まで代用教員として教壇に立ちます。法律に関心を持ち、1892年には弁護士事務所に入所。翌1893年には東京法学院に入学しますが、最終的には退学しています。

台湾での官僚・実業活動

勉学を中断した後、台湾に渡ります。1896年に台湾新竹法院の雇員となり、やがて裁判官心得へと昇進しました。1901年6月には台南県弁務署長に就任し、同年11月には台湾総督府の警視・保安課長を務めるなど、台湾統治に深く関わりました。1904年12月に台湾総督府を退職し、官界を離れます。

官を辞した後は実業界へ転じ、台湾での事業展開に力を注ぎます。1906年12月には台湾東部拓殖の支配人となり、1910年8月には台東拓殖合資会社を設立して代表社員に就任しました。この他にも、台東拓殖製糖株式会社の取締役や花蓮港電気株式会社の社長など、台湾東部の開発事業で主導的な役割を果たしました。

政治家としての歩み

実業家として成功を収める一方、政治の世界にも足を踏み入れます。妻の実家がある茨城県を選挙地盤とし、1912年5月の第11回衆議院議員総選挙に出馬して初当選を果たしました。その後、衆議院議員として活動を続け、1920年の総選挙で一度議席を失いますが、1924年の総選挙で返り咲き、以降は安定した議席を維持。1932年2月の総選挙で落選するまで、通算6回の当選を重ねました。

大臣としての職務

議員としての実績が認められ、要職を歴任します。1931年4月には第2次若槻内閣において拓務大臣として初入閣。同年9月には鉄道大臣へとポストを移し、同年12月に内閣が総辞職するまでその職務にあたりました。立憲民政党に所属し、党内では総務や顧問といった重役を務め、党勢拡大に貢献しました。

家族

原脩次郎には、息子である原彪がいます。また、娘婿には、長女の夫で警察官僚・官選県知事を務めた斎藤亮（1898-1952）や、四女の夫で後に駐西独日本大使となった内田藤雄（1909-1992）がおり、いずれも各界で活躍した人物です。孫にはピアニストの内田光子がいます。

受けた栄典

その功績が認められ、1931年5月14日には勲二等瑞宝章を授与されています。

関連情報

原脩次郎に関する主な伝記・参考文献は以下の通りです。

富岡福寿郎『原脩次郎先生』弘文社、1935年。
秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
衆議院・参議院編『議会制度七十年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1962年。
『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。

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