又新会

又新会と猶興会についての解説

又新会（ゆうしんかい）は、1908年末に形成された革新派の政党で、特に都市の生活者層の支援を中心に据え、対外的な強硬姿勢を取ることが特徴です。その前身である猶興会（ゆうこうかい）についても掘り下げながら、又新会の成り立ちや背景を詳しく見ていきましょう。

猶興会の誕生

猶興会は、1906年12月20日に、政交倶楽部を中心とする不満分子とされる36名の代議士によって設立されました。これには、菊池武徳や山口熊野などが幹事に就任し知られている人物たちが名を連ねていました。

この政党は、日露戦争後の政府の膨張予算とそれに伴う増税政策に対抗するために旗揚げされました。政策として、「政界革新同志会」というスローガンのもとで全国的な運動を展開し、憲政本党や大同倶楽部と連携しながら、政友会の第1次西園寺内閣の方針に対する批判を強め、国民の負担軽減を求めたのです。

また、猶興会はタカ派的な要素も持っており、ハーグ密使事件では政府の韓国統監府の対応を批判しておりました。しかしながら、1908年の衆院選では議席数が29に減少し、その結果、より広範な勢力の結集を目指そうとする動きが強まりました。

又新会の結成

このような背景から、又新会は1908年12月21日に結成されます。猶興会の流れを引き継ぎ、無所属の代議士を加えた45名のメンバーからなります。具体的な綱領は設定されていなかったものの、国家の重要な課題に対して団結することを誓約しました。

また、幹事に河野広中、大竹貫一、島田三郎を選出し、その後に山口熊野と坂本金弥も加わるという形でリーダーシップが整えられます。しかし、次の年にはさらに大同団結を求め、憲政本党や大同倶楽部、戊申倶楽部との合同を試みましたが、又新会が「官僚政治の打破」と「三税廃止」という2つの基盤を譲らなかったため、この試みは決裂してしまいます。

その後、翌年の帝国議会では「三税廃止」に加えて、米の輸入関税引き下げや電車料金の値上げ阻止などを掲げ、政府と対峙しました。また、韓国の併合を支持するスタンスも維持しました。

組織の変遷と解党

1910年に入ると、大同倶楽部と戊申倶楽部の合同、すなわち中央倶楽部の設立に向けて動きが進む中で、又新会内から呼応する動きが生まれ、2月18日には10名が脱党し無名会が形成される事態が発生しました。この無名会は次第に、本来の意義であった中央倶楽部への参加とは異なる方向性を持ち、最終的には戊申倶楽部議員や無名会との合同に向かう形となります。

このため、又新会の議員数は一気に17名に減少し、同年12月21日には結成からわずか2年で解党が決定されました。所属議員たちはその後無所属となり、立憲国民党や立憲政友会へと流れていくことになります。

最後に

猶興会と又新会の活動は、当時の政治情勢において重要な役割を果たしました。それらの結成や解党が年末に集中していることは、当時の政府の予算審議の都合によるものであり、このような背景が存在することは興味深い事実です。

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