双界儀

双界儀

『双界儀』は、1998年5[[月28日]]にスクウェア（現スクウェア・エニックス）から発売されたPlayStation用のアクションアドベンチャーゲームです。太極思想や日本神話、陰陽道などを融合した独特の世界観と、フルボイスによる重厚なドラマ、3Dポリゴンによる美麗なグラフィックが特徴です。

ゲーム概要

スクウェア初のフルボイス作品であり、3時間にも及ぶムービーシーンはロードムービーのように展開されます。物語は、富士[[山]]の崩壊をきっかけに現れた「寄り神」と呼ばれる怪異に対抗するため、「五方輪」と呼ばれる戦士たちが各地を巡るというもの。プレイヤーは五方輪の一員となり、様々な能力を駆使して敵を倒し、世界の謎を解き明かしていきます。

ゲームクリア後には、広大なフィールドを舞台にしたアクションゲームも楽しめます。

監督・原案は天河信彦、ドラマ演出は三ツ[[矢雄二]]、キャラクター原案は皇名月が担当。音楽は菊田裕樹が手掛け、京野ことみが主題歌を歌っています。

世界観

本作は、太極の陰陽思想や、常世と現世という二つの世界観を基盤としています。日本の神話や古神道、密教や道教（陰陽道）などの要素を織り交ぜ、「循環と再生」「混沌と融合」といったテーマを探求しています。

偽書とされる『竹内文書』や『東日流外三郡誌』に発想を得た日本観や、日本各地に残る「富士文明説」「寄り神信仰」を題材とし、万物流転のイメージを表現しています。

陰陽五行の思想がゲームシステムにも組み込まれており、キャラクターの属性や能力、人間関係、物語の展開に深く関わっています。

ゲーム内の表現にもこだわりが見られ、アラビア数字やカタカナ表記を極力避け、漢字やひらがな、古語を多用しています。時間経過も和名で表現され、10月を「神無月」ではなく「神在月」とするなど、日本の伝統文化を尊重した演出が施されています。古代に係わる場所や物には「秀真文字」が記され、古式床しい台詞回しや和風の効果音も、世界観を一層引き立てています。

あらすじ

1997年12月、富士[[山]]の山頂で大規模な爆発が発生し、日本各地で地震や光球の爆発が起こります。その爆発によって出現した巨大な柱は、周囲の全てを飲み込み、直径100km、深さ30kmにも及ぶクレーターを形成します。この出来事は「ガランの日」と呼ばれ、日本は国[[土]]の17%、総人口の14%を失います。

各地に現れた「ガラン石の柱」に引き寄せられるように、「寄り神」と呼ばれる怪異が出現し、人々を襲い始めます。「紫微仙」という者たちが作った組織「五方輪」の塞上夜斗は、この惨事が紫微仙の仕業であることを知り、紫微仙に反旗を翻します。

五方輪の一員である真武居直柔は、紫微仙の目的を探るため、「御石神文書」を手に入れるべく奥能登の珠州へ向かいます。そこで、寄り神に襲われていた御巫美津穂を助け、紫微仙の一人と対峙します。

珠洲を皮切りに、高千穂、沖ノ島、出雲、大和、富士、鹿島を巡り、「七つの楔」を守るため、五方輪は集結し、旅を続けます。紫微仙の目的、語られる「高天の民」とは何か？世界の理が今、明らかになります。

ゲームシステム

太極図に表される陰陽と五行の思想が、ゲームシステムに組み込まれています。フィールドの龍穴や戦闘において、陰（衰氣）と陽（旺氣）の気の流れ、五行の相関関係が重要な要素となります。

ステージに点在する「ガラン石」を破壊することで得られる「現世のカケラ」を集めることで、攻撃力や防御力などのパラメータを強化できます。

キャラクターごとに得意な能力やパラメータが異なり、戦略的な育成が可能です。

個性的なキャラクター

主人公の真武居直柔をはじめ、五方輪のメンバーはそれぞれ異なる能力や背景を持ち、物語を彩ります。

真武居直柔: 五方輪の宗家で、木属性の力を持つ。
八洲大騎: 元真言密教の退魔師で、火属性の力を使う。
御巫美津穂: 剣術の師範代で、直柔から闇陽炎を受け継ぎ、木属性の力を使う。
我舞要: 気功武術の達人で、水属性の力を持つ。
琴平梓: 幼いながらも弓の使い手で、金属性の力を持つ。
朱童ひふみ: 安倍家流の陰陽師で、土属性の力を使う。
* 塞上夜斗: 五方輪の一員で、道祖神の祭司。水属性の力を使う。

紫微仙と呼ばれる敵キャラクターも、それぞれ異なる能力を持ち、五方輪を苦しめます。

小説・漫画版

本作は、小説版と漫画版も展開されています。

小説版では、ゲームのストーリーを肉付けし、ゲームでは語られなかった詳細な設定や背景が描かれています。

漫画版では、ゲームのストーリーを明るくポップなタッチで描き、主人公たちの日常やギャグシーンが盛り込まれています。

まとめ

『双界儀』は、独特な世界観と重厚なストーリー、個性的なキャラクターが魅力のアクションアドベンチャーゲームです。古神道や陰陽道に興味がある方、ドラマチックな物語を楽しみたい方におすすめです。

もう一度検索