奥能登

奥能登（おくのと）

奥能登は、能登半島の最北部を指し、石川県の珠洲市、輪島市、鳳珠郡（能登町、穴水町）の4市町で構成されています。能登半島の南部を口能登、中部を中能登と呼ぶのに対し、奥能登はその名の通り、能登の奥深さを感じさせるエリアです。

広域行政

奥能登地域では、4市町が連携し、奥能登広域圏事務組合を設立しています。事務組合は能登空港ターミナルビル内に事務局を構え、主に常備消防事務を担い、地域住民の安全を守っています。

交通

空港

奥能登への空の玄関口は、能登空港です。輪島市、穴水町、能登町にまたがる場所に位置し、2003年7月7日に開港しました。東京国際空港（羽田空港）との間には、毎日2往復の便が就航しており、首都圏からのアクセスが向上しています。空港に隣接して日本航空学園輪島校があるのも特徴です。

鉄道

かつて奥能登には、のと鉄道七尾線と能登線が走っていましたが、現在は和倉温泉駅 - 穴水駅間のみが運行しています。2001年3月31日には七尾線の穴水駅 - 輪島駅が、2005年3月31日には能登線の穴水駅 - 蛸島駅が廃線となりました。廃止された区間では、代替バスが運行されています。

バス

金沢駅からは、北鉄奥能登バスが輪島や珠洲まで直通の特急バスを運行しており、鉄道が廃止された区間の代替として、重要な役割を果たしています。

道路

奥能登へのアクセスを支える主要道路は、以下の通りです。

のと里山海道: 金沢市近郊の内灘町と穴水町を結ぶ自動車専用道路。北陸自動車道からのアクセスも良く、奥能登観光に便利です。2013年3月31日までは有料道路でしたが、現在は無料化されています。
穴水道路: 能越自動車道の一部で、穴水ICからのと里山空港ICまでの区間。のと里山海道と直結しており、能登空港へのアクセスを容易にしています。
珠洲道路: のと里山海道の終点（穴水IC）から珠洲市までを結ぶ道路。廃止されたのと鉄道能登線の代替として重要な役割を担っています。高速道路のような快適な走行が可能です。
国道249号: 能登半島を一周する国道。美しい海岸線や山岳地帯を通り、変化に富んだ景色を楽しめます。ただし、一部区間はカーブが多いため、運転には注意が必要です。

観光

奥能登には、自然や文化に触れられる様々な観光スポットがあります。

輪島市: 朝市、千枚田、上時国家、下時国家、大川浜、窓岩、垂水滝、桶滝、輪島キリコ会館、總持寺祖院など。
珠洲市: 見附島、珠洲岬、葭ヶ浦温泉、禄剛崎（禄剛埼灯台）、ゴジラ岩など。
能登町: 真脇遺跡、恋路海岸、九十九湾遊覧船、能登町植物公園（旧柳田植物公園）など。
穴水町: ボラ待ちやぐらなど。

伝統工芸

奥能登は、伝統工芸の宝庫でもあります。

輪島塗: 堅牢さと優美さを兼ね備えた漆器。日本を代表する伝統工芸品です。
七輪: 珠洲市で生産される珪藻土を原料とした七輪。高い断熱性と保温性が特徴です。
碁笥（ごけ）: 穴水町で作られる碁石を入れる器。全国シェアの半分以上を占めています。
珠洲焼: 中世に栄えた陶器。近年、再興され、新たな魅力を放っています。

祭事

奥能登では、能登キリコ祭りなど、地域独特の祭りが数多く開催されます。これらの祭りは、地域の文化と人々の熱意を伝えています。

食材等

奥能登は、豊かな自然が育む食材の宝庫です。

天然塩: 珠洲市では、揚浜式と呼ばれる伝統的な製法で天然塩が作られています。
いしる（いしり）: イカの内臓を発酵させて作る魚醤。秋田県のしょっつる、香川県のいかなご醤油とともに日本三大魚醤と呼ばれています。
すいぜん: 天草と餅の粉を原料にした食物。黒ゴマのタレで食べます。輪島固有の食べ物です。
ゆべし: 柚子の中に餅米などを入れて蒸して作る和菓子。輪島に伝わる高級菓子です。
くちこ: ナマコの卵巣を乾燥させた珍味。穴水町などで生産されています。
能登丼: 能登地域の食材を使ったご当地グルメ。

奥能登は、豊かな自然、独自の文化、そして温かい人々が織りなす魅力的な地域です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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