口岸

口岸（こうがん、コウアン(普通話)、ハウゴン(広東語)、拼音: kŏuàn、イェール粤拼: hau2 ngon6）とは、中国語で「港」を意味する言葉です。

しかし、現代においては、その意味合いが転じ、主に出入国審査場や国境検問所といった、人の移動や物品の輸出入を管理する場所を指す言葉として用いられることが一般的です。

特に、中国本土と香港、マカオといった、行政区や特別行政区との境界に設置された出入境審査場を指す場合が多く、中国の国境管理において重要な役割を担っています。

口岸の種類

中国における口岸は、その重要度や管理体制によって、大きく一類口岸と二類口岸の2種類に分類されます。

一類口岸

一類口岸は、中央政府が認可し、中央政府または地方政府が管理する国境施設です。国家にとって重要な役割を担っており、通常、大規模な施設や高度なセキュリティ体制を備えています。国際的な貿易や人の移動が多く見られる場所に設置される傾向があります。

二類口岸

二類口岸は、地方政府が認可・開設し、地方政府が管理する国境施設です。一類口岸に比べて規模が小さく、地方間の貿易や人の移動を円滑にする目的で設置されています。

主な口岸の例

中国国内には、数多くの口岸が存在しますが、以下にいくつかの代表的な例を挙げます。

福田口岸 (ふくでんこうがん): 香港と深圳を結ぶ重要な口岸の一つで、鉄道（香港MTR東鉄線と深圳地下鉄4号線）が乗り入れています。
羅湖口岸 (らここうがん): 香港と深圳を結ぶ最も歴史のある口岸で、香港MTR東鉄線と深圳地下鉄1号線が接続しています。
皇崗口岸 (こうこうこうがん): 香港と深圳を結ぶ自動車専用の口岸で、深セン湾口岸が開業するまでは、最も利用される口岸でした。

これらの口岸は、中国本土と香港の間を行き来する人々にとって、日常的に利用される重要なインフラとなっています。これらの口岸は、単なる国境施設としてだけでなく、経済活動や人々の交流を支える重要な拠点としての役割も担っています。

口岸に関連する用語

口岸に関連する用語として、以下のようなものがあります。

中華人民共和国口岸: 中国における国境施設全体を指す言葉です。
中華人民共和国旅券: 中国のパスポートを指します。口岸での出入国審査に必須です。
国境検問所: 国境における人の移動や物品の輸出入を管理するための施設で、口岸と同様の役割を担います。
* 出入国管理: 国境を越える人々の出入国を管理する制度や活動全般を指します。

口岸は、中国の国境管理において、非常に重要な役割を果たしています。これらの施設は、安全な国境維持、スムーズな人の移動、効率的な貿易活動を支える上で欠かせない存在です。

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