普通話

普通話（Pǔtōnghuà）

概要

普通話は、中華人民共和国で公式に認められている公用語であり、一般的に標準中国語として知られています。「普通」という言葉は「普遍的に通じる」という意味を持ち、日本語で言うところの「普通」に近い概念です。普通話の教育は漢民族のみならず、少数民族に対しても強制的に行なわれ、国内外で中国語教育を行う際には、普通話が基本的な教科書の基盤となっています。

多くの国の標準語とは異なり、普通話は単に北京の言語に基づいているわけではありません。実際には、河北省灤平県の方言がその基盤となっています。この方言は中国政府の方針により広まり、関連する文書も徐々に出版されてきました。20世紀の半ば、中国政府は普通話の文法を修正し、伝統的な旧字体を捨てて簡体字と拼音（Pinyin）を取り入れ、現代社会に適した標準語を形成しました。こうした経緯を経て、普通話は中国国内で唯一の標準語とされ、法律によって守られています。

普通話の普及状況

2015年には、中国の約73%の国民が普通話を使うことができると報告され、2000年の53%からの大幅な増加を示しています。都市部ではその普及率は90%を超える一方で、農村地域では約40%となっています。その後、2020年には全国での普及率が80.72%まで上昇し、極度貧困地域においては61.56%とされています。これは中国政府が進めてきた普通話普及政策の成果と考えられています。

文法の特徴

普通話の文法は、古代中国語の文法、特に「漢文」と呼ばれる形には基づいていますが、「白話文」という形態が重視されています。白話文は、唐代から元代にかけて発展し、一般的な人々にも理解しやすい言語に進化しました。これを踏まえて、20世紀初頭に「言文一致」を求める運動が起こり、普通話の文法が確立されるに至りました。

発音と音韻体系

日本においては、普通話の発音が北京の音に基づくと広く考えられていますが、実際には河北省の方言に近いという意見もあります。清王朝時代、北京官話は官吏の共通語として使われましたが、後に北京語が標準語として普及しました。現在、普通話は全国的に通用する言語として利用されていますが、台湾では未だに北京語が標準として使われています。

普通話の音韻システムには21の子音と10の母音が含まれ、音節は基準に従って構成されています。各音節は声調によって意味が変化し、普通話には陰平、陽平、上声、去声の4つの声調があります。音の高さや長さも声調に関与しており、特定の発音上の変調が言葉の意味に影響を与えます。

現代の言語政策

中国政府は、少数民族に対する普通話教育を強化し、中華民族の意識を高める取り組みを進めています。特に新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区では、少数民族の文化や言語に対する圧力が強化されています。教育の中で普通話を用いることで、標準語の普及を図っていますが、これに対する住民からの抵抗や抗議活動も見られます。

まとめ

普通話は中華人民共和国の基幹となる言語であり、その教育や文法、発音、言語政策が多岐にわたり展開されています。中国国内外での普通話の普及と、それに伴う様々な社会的問題は、今後も注意深く見守る必要があります。

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