古今亭八朝

古今亭八朝：落語界の重鎮、その生涯を振り返る

1951年、東京都豊島区に生まれた古今亭八朝師匠は、2023年6月26日、71歳でその生涯を閉じました。落語協会に所属し、多くのファンを魅了した八朝師匠の芸歴、そして人生を紐解いていきましょう。

揺るぎない芸の道

東京都立明正高等学校卒業後、1970年4月、八朝師匠は三代目古今亭志ん朝に入門。志ん吉という前座名で、1973年5月、浅草演芸ホールで初高座を踏みます。その後、1975年11月には林家らぶ平、柳家さん光と共に二ツ目昇進を果たし、「八朝」と改名。持ち前の才能と努力で1984年9月には林家種平、桂藤兵衛と共に真打に昇進しました。

協会活動への貢献

真打昇進後も、八朝師匠は落語界への貢献を続けます。2003年4月には黒門亭運営委員長に就任、2005年には運営実行委員会実行委員長に就任。さらに2006年と2007年には、落語協会の重要なイベントである「円朝まつり」の実行委員長を務めるなど、協会の発展に大きく貢献しました。

多彩なメディア出演

八朝師匠は落語の枠にとどまらず、数々のメディアにも出演しました。テレビでは、『高原へいらっしゃい』（TBS）、『円鏡のとんち塾』（フジテレビ）、『あばれはっちゃく』（テレビ朝日）、『3時にあいましょう』（TBS）などに出演。俳優としてドラマ『土曜ワイド劇場 西村京太郎トラベルミステリー18 オホーツク殺人ルート さい果てツアーの謎!』（テレビ朝日）にも出演するなど、その活躍は多岐に渡りました。ラジオでも『ヤング・ライン』『口八丁歌謡曲』（JRNネット）、『八朝のジョイジョイ富山・土曜ワイド』『サンサンミュージック』（KNBラジオ）など、数多くの番組に出演し、幅広い層に親しまれていました。

創作活動と豊かな人間性

八朝師匠は、落語家としての活動だけでなく、著書『志ん朝と上方』や『内儀さんだけはしくじるな －目白・柏木・黒門町－』を出版。また、CD『どうすりゃいいのさ高齢者／ふてくされ』もリリースするなど、創作活動にも意欲的に取り組んでいました。

趣味は巨人軍の応援とカラオケ。前座時代には、六代目 三遊亭円楽、春風亭小朝、立川ぜん馬と共に『四天王弟子の会』を結成するなど、人との繋がりを大切にする、温かい人柄も持ち合わせていました。1982年には国立若手花形新人賞銀賞を受賞するなど、その実力は高く評価されていました。

晩年と、献身的な支え

晩年はパーキンソン病を患っていたと、同期の立川談四楼氏から伝えられています。そんな八朝師匠を献身的に支えた夫人は、2010年に急逝。その悲しみを乗り越えながら、八朝師匠は落語家としての道を歩み続けました。

古今亭八朝師匠の死は、落語界に大きな衝撃を与えました。しかし、師匠が残した数々の高座、そして落語界への貢献は、これからも多くの人々の心に生き続けることでしょう。師匠のご冥福を心よりお祈りいたします。

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