古今図書集成

古今図書集成

『古今図書集成』（ここんとしょしゅうせい、満州語：ᠵᡠᠯᡤᡝᡨᡝ ᡳᠨᡳᡵᡠᡤᠠᠨᠪᡳᠳᡥᡝ）は、18世紀に中国清代に編纂された百科事典であり、現存する類書の中では最も大規模なものです。正式には『欽定古今図書集成』と呼ばれ、全体で約10,000巻という膨大な巻数を持っています。

構成と内容

本書は、古来の様々な典籍から関連する情報を集約し、体系的に整理したものです。各項目について出典が明記されているため、特定の情報を調査する際には非常に有用です。内容の構成は以下のように多層的で、情報が整然と整理されています。

• - 6つの彙編に大分類されており、それぞれが更に32典に分かれている。
• - 各典はさらに6,109部に分けられ、それぞれの部は彙考、総論、図表、列伝、芸文、選句、紀事、雑録、外編に細分化されています。

各彙編と典の分類

1. 暦象彙編
- 乾象典、歳功典、暦法典、庶徴典
2. 方輿彙編
- 坤輿典、職方典、山川典、辺裔典
3. 明倫彙編
- 皇極典、宮闈典、官常典、家範典、交誼典、氏族典、人事典、閨媛典
4. 博物彙編
- 芸術典、神異典、禽虫典、草木典
5. 理学彙編
- 経籍典、学行典、文学典、字学典
6. 経済彙編
- 選挙典、詮衡典、食貨典、礼儀典、楽律典、戎政典、祥刑典、考工典

編纂の経緯

この書の編纂は清の康熙帝の指示により、陳夢雷（1651年 - 1741年）らによって始まりました。その後、雍正帝の命により、明の『永楽大典』に倣った形で蒋廷錫（1669年 - 1723年）などが補足を加え、1725年に完成を見ました。

版本と流通状況

本書の初版は1728年に公開されたもので、銅活字本として流通しています。その後、上海同文書局からは影印版が発行されましたが、これらの版は流通量が少なく、入手が困難です。また、1884年に上海図書集成局から刊行された活字本も存在し、こちらは縮刷本や台湾版の影印本として広く流通しています。

日本への導入は早く、江戸幕府の第8代将軍徳川吉宗の命により、完成後間もなく初刷り本が取り寄せられました。この本は幕府の蔵書文庫である紅葉山文庫に含まれていましたが、明治維新後に政府の蔵書となり、明治天皇によって東京帝国大学に下賜されました。しかし、関東大震災による図書館の類焼で初刷り本は消失してしまいました。

参考文献と関連項目

本書の利用に際しては、分かりやすい「考証」24巻、目録40巻、さらには文部省編の「分類目録」などの参考図書を活用することが推奨されています。また、国立国会図書館には『古今図書集成分類目録』がデジタルコレクションとして存在し、さらなる研究や探求に役立つ情報源となっています。

このように『古今図書集成』は、清代の知識体系を集大成した重要な文献であり、現代においても様々な学術的な研究や情報収集に利用され続けています。

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