古宇田武郎

古宇田武郎

古宇田武郎（こうだ たけろう、1891年5月15日 - 1982年3月23日）は、海軍軍人であり、日本の太平洋戦争における潜水艦部隊の指揮官として知られています。彼の最終階級は少将であり、軍歴の中で数多くの戦闘に参加しました。

経歴

大正期

古宇田は大分県に生まれ、海軍兵学校41期の卒業生です。1913年に海軍兵学校を見事に卒業し、初期のキャリアでは第一次世界大戦に参加しました。この時期、彼は宮古型潜水艦「24潜」の艤装員としての生活をスタートさせ、潜水艦についての教育を受けました。

昭和初期

少佐に昇進した後、古宇田は複数の潜水艦を指揮しました。彼は戦友の草刈英治の自決に対して深い思いを持ち、その妻への手紙で彼の真意を理解し、奮励する決意を表明しました。1931年には中佐に昇進し、艦政本部に配置され、潜水艦の建造や乗員教育に携わりました。

昭和中期

昭和12年には大佐に昇進し、艦長として重要な任務を担いました。特に、「迅鯨」の艦長としての役割は顕著であり、その後、重巡洋艦「鳥海」の艦長に就任し、北部仏印進駐に従事しました。1940年には佐世保港務部長として太平洋戦争の開戦を迎え、徴用船舶の運航管理に従事しました。

太平洋戦争

1942年、上海港務部長に移り、同年11月には少将に昇進しました。1943年には第一潜水戦隊の司令官に就任し、南太平洋での米軍の補給線遮断作戦を指揮しました。この時、彼の指揮下にあった潜水艦によって大きな戦果が挙がりました。

特に注目すべきはキスカ島撤退作戦です。1943年5月にはキスカ島撤退が指示され、古宇田は15隻の潜水艦を指揮し、キスカ島にいる5600人の守備隊員の撤退に掛かりました。彼の部隊は困難な状況下で、872名の人員救出に成功しましたが、敵のレーダーによる探知と攻撃の困難に悩まされました。

この作戦は多くの困難を伴い、古宇田の指揮のもと、最終的に成功を収めました。作戦中、潜水艦が敵の攻撃に遭い、いくつかの艦が撃沈される事態も発生しましたが、彼の迅速な判断とリーダーシップがその撤退作戦を支えました。

その後、古宇田は南方に復帰し、潜水艦の訓練を担当しました。1944年には軍令部出仕となり、呉海軍工廠で潜水艦部長として勤務し、戦争終結を迎えます。1947年には公職追放の仮指定を受けました。

結論

古宇田武郎は、その海軍生涯を通じて、幾多の困難な状況に直面しながらも、その戦略的な思考と指揮力で多くの重要な任務を遂行しました。特に、先鋭的な潜水艦部隊の指揮官としての彼の功績は、日本海軍の歴史において重要な位置を占めています。

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