古屋幸一

古屋幸一：映像を彩る撮影監督

古屋幸一（ふるや こういち）は、1974年生まれの日本の撮影監督、DIT（デジタル・イメージング・テクニシャン）です。福岡県福岡市出身で、日本撮影監督協会（J.S.C.）に所属しています。撮影機材の運営や撮影業務全般を行う合同会社FOO（フー）を運営しており、その活動は多岐にわたります。

多様なキャリアパス

慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、電通九州に約7年間勤務した異色の経歴を持っています。その後、映像の世界に飛び込み、撮影助手としてキャリアをスタート。主に高間賢治に師事し、撮影技術を磨きました。映画、ドラマ、CM、プロモーションビデオ、企業VPなど、様々なジャンルの作品でアシスタントやBカメラを担当した後、撮影監督として独立しました。

撮影監督としての活躍

古屋は、インディペンデント映画にも積極的に参加しており、その活動は多岐にわたります。主な撮影監督作品には以下のようなものがあります。

「瞼の転校生」（2024年）：藤田直哉監督による作品。
「飛べない天使」（2023年）：堀井あやか監督の作品。
「LONESOME VACATION」（2023年）：下社敦郎監督の作品。
「彼を信じていた十三日間」（2022年）：黒沢清監督によるAmazon Prime配信作品。
「北風だったり、太陽だったり」（2022年）：森岡龍監督、16mmフィルムで撮影された短編作品。
「モジャ」（2022年）：宇賀那健一監督による短編作品。
「あなたの微笑み」（2022年）：リム・カーウァイ監督の作品。
「夢見るペトロ」（2022年）：田中さくら監督、田辺弁慶映画祭コンペ出品の16mmフィルム作品。
「リング・ワンダリング」（2022年）：金子雅和監督作品、東京とインドのゴア映画祭でグランプリを受賞。
「遠くへ行きたいわ」（2022年）：団塚唯我監督のVIPO2021作品。
「ぼくはぜろにみたない」（2021年）：外山文治監督による短編作品。
「COME AND GO」（2021年）：リム・カーウァイ監督作品、東京国際映画祭、大阪アジアン映画祭で上映。
「ウィール・オブ・フェイト～映画『無法松の一生』をめぐる数奇な運命～」：山﨑エマ監督作品、ヴェネツィア映画祭で上映。
「転がるビー玉」（2020年）：宇賀那健一監督の作品。
「ふたり」（2019年）：根岸里紗監督作品。
「猫かえる」（2019年）：今尾偲監督による短編作品。
「鼓動」（2019年）：品田誠監督の短編作品。
「魔女に焦がれて」（2019年）：井上博貴監督の作品。
「午後の悪魔」（2018年）：中村真夕監督作品、ショートショートフィルムフェスティバル出品。
「糸（いと）」（2017年）：荻野欣士郎監督の作品。
「三つの朝」（2017年）：根岸里紗監督による短編作品。
「ポルトの恋人たち 時の記憶」（2018年）：船橋淳監督の作品。
「Mr.Long ミスター・ロン」（2017年）：SABU監督作品、ベルリン映画祭コンペティション選出。
「Carton Moon」（2016年）：二階健監督作品。
「ハピネス」（2018年）：SABU監督作品、プサン映画祭で上映。
「Dirty Clothes」（2016年）：烈元𠮷監督作品、カンヌ映画祭短編部門で上映。
「ひかりをあててしぼる」（2016年）：坂牧良太監督の作品。
「ちょき」（2016年）：金井純一監督作品。
「THE HYBRID 鵺の仔」（2015年）：羽野暢・倉谷宣緒監督作品。
「ザ・ワールドオブ体育館」（2014年）：勝又悠監督のWEB公開作品。
「無意識都市」（2014年）：石原弘之監督作品。
「禁忌」（2014年）：和島香太郎監督作品。
「いつかの、玄関たちと、」（2014年）：勝又悠監督の作品。
「月が綺麗ですね」（2013年）：勝又悠監督作品。
「大風呂屋エイジ　河津桜よ永遠に」（2013年）：川原康臣監督作品、沖縄国際映画祭地方映画部門で上映。
「桜並木の満開の下に」（2013年）：船橋淳監督作品、ベルリン映画祭フォーラム部門で上映。
「逢う時は他人」（2013年）：小林政広監督作品、ロカルノ映画祭で上映。
「あの夏のたばこ」（2013年）：荒井犬太郎監督作品。
「思惑」（2012年）：川邉崇広監督作品。
「傷」（2012年）：谷口正晃監督作品。
「チロの飼い主」（2012年）：谷口正晃監督作品。
「秀雄さん」（2012年）：谷口正晃監督作品。
「ヒロミとアサコ」（2012年）：冨樫森監督作品。
「高山巡査が行く」（2012年）：冨樫森監督作品。
「けっこう仮面　新生（リボーン）」（2012年）：笠木望監督作品。
「何かが壁を越えてくる」（2012年）：榎本憲男監督作品、東京国際映画祭で上映。
「恋する私のベーカリー」（2012年）：佐々木詳太監督作品。
「東京スピーシーズ」（2012年）：笠木望監督作品。
「ニュータウンの青春」（2011年）：森岡龍監督作品、釜山国際映画祭で上映。
「ネ申アイドル総選挙バトル」（2011年）：白石晃士監督作品。
「見えないほどの遠くの空を」（2011年）：榎本憲男監督作品、ワルシャワ映画祭で上映。
「超・悪人」（2011年）：白石晃士監督作品。
「Oh!マイブラザー 誰の心に届く…」（2011年）：長尾久美子監督作品。
「超・暴力人間」（2011年）：白石晃士監督作品。
「インキュバス」（2010年）：笠木望監督作品。
「ひょうたんから粉」（2009年）：上原三由樹監督作品。
「金糸雀は唄を忘れた」（2008年）：赤羽健太郎監督作品。

ミュージックビデオ撮影

ミュージックビデオの撮影も数多く手掛けており、幅広いアーティストの作品に参加しています。

「まる。」：曽我部恵一（2023年）、曽我部恵一監督作品。
「ワンルーム」：にしな（2023年）、常間地裕監督作品。
「Actually」：乃木坂４６（2022年）、黒沢清監督作品。
「Show Me How」：Maika Loubté（2021年）、中野道監督作品。
「笑い話」：映秀（2021年）、団塚唯我監督作品。
「夜明けをさがして」：キイチビール＆ザ・ホーリーテッツ（2019年）、根岸里紗監督作品。
「風の声を聴きながら」：三月のパンタシア（2018年）、金井純一監督作品。
「セーラー服と機関銃」：橋本環奈（2016年）、前田弘二監督作品。
「バカばっかり」：曽我部恵一（2013年）、川原康臣監督作品。
その他多数

Bカメラ・DIT担当作品

BカメラやDITとしても、数々の作品に携わっています。

「PLAN75」（2022年）：早川千絵監督作品、DIT・Bカメラ担当。
「シュシュシュの娘」（2021年）：入江悠監督作品。
「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド（2021年）」：園子温監督作品、応援として参加。
「惡の華」（2019年）：井口昇監督作品、Bカメラ応援。
「ねことじいちゃん」(2019年）：岩合光昭監督作品、DIT・Bカメラ担当。
「海辺のリア」（2017年）：小林政広監督作品。
「惑う」(2016年)：林弘樹監督作品、16mmフィルム撮影。
「Crow's Blood」(2016年)：Darren Lynn Bousman監督作品、Bカメラオペレータ。
「ドラマ 東京裁判」(2016年)：NHK特別番組、日本パートカメラオペレータ。
「大奥〜永遠〜［右衛門佐・綱吉篇］」（2012年）：金子文紀監督作品、DIT・Bカメラ担当。
「シェアハウス」（2011年）：喜多一郎監督作品。
「アザミ嬢のララバイ」（2011年TV）：犬童一心監督ほかオムニバス。
「死にゆく妻との旅路」（2011年）：塙幸成監督作品。
「受験のシンデレラ」（2007年）：和田秀樹監督作品。

FOO機材協力作品

自身が運営する合同会社FOOでは、機材協力も行っています。

「猫と塩、または砂糖」（2022年）：小松孝監督作品。
「あいみょん　双葉」（2022年）：MV、16mmフィルム撮影。
「Awich Link Up」（2022年）：MV、16mmフィルム撮影。
その他多数

映画アシスタント参加作品

撮影助手時代には、数多くの映画作品に参加しました。

「姑獲鳥の夏」（2005年）：実相寺昭雄監督作品。
「雨の町」（2005年）：田中誠監督作品。
「鋼」（2006年）：鈴木卓爾監督作品。
「神の左手悪魔の右手」（2006年）：金子修介監督作品。
「涙そうそう」（2006年）：土井裕泰監督作品。
「真木栗ノ穴」（2007年）：深川栄洋監督作品。
「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」（2007年）：松岡錠司監督作品。
「春との旅」（2009年）：小林政広監督作品。
「プライド」（2009年）：金子修介監督作品。
「ジーン・ワルツ」（2010年）：大谷健太郎監督作品。

文化庁海外芸術家派遣制度

2014年4月より1年間、文化庁海外芸術家派遣制度により米国ロサンゼルスを中心に研修に参加し、国際的な視野も広げています。

古屋幸一は、多岐にわたるジャンルの映像作品を手がける撮影監督として、今後もその活躍が期待されます。

外部リンク

IMDb

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