古川氏

古川氏とは

古川氏（ふるかわし、こがわし）は、日本の氏族であり、戦国時代には飛騨国と陸奥国にそれぞれ別の勢力として存在していました。飛騨の古川氏は「ふるかわし」と読み、陸奥の古川氏は「こがわし」と読みます。

飛騨古川氏

飛騨古川氏は、飛騨国司家である姉小路氏の庶流にあたります。姉小路尹綱（あねがこうじただつな）が飛騨国古川郷に居住し、古川氏を名乗ったのが始まりです。彼らは高野にある古川城を本拠地としていました。

その後、養子の昌家（まさいえ）が家督を継ぎましたが、一族である小島家や向家との争い、さらには周辺の国人との戦いを通して勢力を衰退させました。享禄4年（1531年）には、三木直頼（みきなおより）によって滅ぼされました。その後、飛騨国内で勢力を拡大した三木氏が、古川の家名を名乗るようになり、これは朝廷にも認められました。

陸奥古川氏

陸奥古川氏は、明応8年（1499年）には大崎氏の家臣として記録されています。大崎教兼（おおさきのりかね）の六男を祖とする説が有力です。天文5年（1536年）には、他の勢力とともに大崎氏に対して大規模な反乱を起こしました。

この反乱を大崎義直（おおさきよしなお）は自力で鎮圧することができず、伊達稙宗（だてたねむね）に援軍を要請しました。その結果、居城である古川城に立て籠もった古川持慧（こがわもちさと）ら一族郎党は討ち死にし、反乱は鎮圧されました。奥州仕置によって大崎氏が改易されると、古川氏も居城を退去することとなりました。陸奥の古川氏は「こがわ」と読むのが正しいです。

系譜

飛騨古川氏

姉小路尹綱
古川昌家


陸奥古川氏

大崎教兼（六男）
古川持慧

※陸奥古川氏の系譜は諸説あるため、ここでは有力とされる一説を記載しています。

脚注

飛騨古川氏は、姉小路氏の庶流。
陸奥古川氏は、大崎氏の家臣。
飛騨古川氏は「ふるかわし」、陸奥古川氏は「こがわし」と読む。

参考文献

朝日新聞社 編『朝日日本歴史人物事典』朝日新聞社、1994年11月。ISBN 4023400521。
大石泰史 編『全国国衆ガイド : 戦国の”地元の殿様”たち』星海社〈星海社新書, 70〉、2015年8月。ISBN 978-4-06-138571-9。
飛騨古川金森史編さん委員会 編『古川町の歴史と城下町』古川町〈飛騨古川金森史〉、1991年3月。 NCID BN1086948X。
平凡社地方資料センター・大塚徳郎・竹内利美編『宮城県の地名』平凡社〈日本歴史地名大系, 4〉、1987年7月。ISBN 4582490042。

関連項目

飛騨の乱

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