姉小路氏

姉小路氏とは

姉小路氏（あねこうじし）は、戦国時代に飛騨国（現在の岐阜県北部）で勢力を誇った一族です。宇多[[源氏]]の流れを汲む三木氏（みきし）が、その前身とされています。多賀氏と同族という説もあります。

三木氏から姉小路氏へ

三木氏は、近江国（現在の滋賀県）を発祥とし、佐々木氏の庶流である多賀則綱を祖とすると伝えられています。室町時代には飛騨に移り住み、益田郡（現在の下呂市）を拠点に勢力を拡大。戦国時代には、三木直頼の代に飛騨を支配する戦国大名に成長しました。

直頼の子・良頼の時代には、飛騨国内で混乱が起きたとされています。この混乱の中で、良頼は朝廷への工作を行い、永禄3年（1560年）に飛騨守に任官、同時に名字を姉小路（古川）と改めました。この一連の動きは、三木氏による姉小路氏の乗っ取り・僭称であると考えられていましたが、その後の研究で、姉小路氏の一族が記録に残っていることが判明。三木氏が姉小路氏を滅ぼしたのではなく、一族として同化したというのが実情のようです。

飛騨統一と没落

姉小路氏は、周辺の武田氏や上杉氏、織田氏といった有力大名との関係の中で、勢力を拡大・維持しようとしました。当初は上杉氏に味方しましたが、後に武田氏に降伏。その後、織田信長に従ったことで、国内は親上杉派と親織田派に分かれて抗争が起こり、勢力を削ぐ結果となりました。

天正10年（1582年）に本能寺の変が起こると、姉小路頼綱は織田家臣・佐々成政に協力して羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）と敵対。天正13年（1585年）に秀吉の命を受けた金森長近に攻められ降伏し、国司としての姉小路氏は滅亡しました。

その後

姉小路氏の滅亡後、子孫は姉小路を憚り、本来の三木姓に戻って、江戸幕府の旗本として徳川氏に仕えました。

姉小路一族

三木直頼
姉小路良頼
姉小路頼綱
三木顕綱
姉小路信綱
姉小路秀綱
三木近綱

系譜

姉小路氏の系譜には、いくつかの説があります。

藤原氏説
多賀氏説

また、『続群書類従』や『寛政重修諸家譜』にも系図が記されていますが、信憑性は低いとされています。

関連人物・関連氏族

三木国綱
姉小路家（飛騨国司家）
姉小路昌家
姉小路基綱
姉小路済継
姉小路済俊
姉小路高綱
古川富氏
小島時秀
小島時光
姉小路基頼（元頼）
塩屋氏
塩屋秋貞
江馬氏
江馬時経
江馬時盛
江馬輝盛
内ヶ島氏
内ヶ島氏理
広瀬氏
広瀬利治
広瀬宗域
木曾氏
木曾義元

参考書籍

谷口研語『飛騨三木一族』（新人物往来社、2007年）

もう一度検索