古川純

古川純（ふるかわ あつし）

日本の法学者であり、専修大学の名誉教授である古川純は、1941年12月1日に宮城県仙台市で生まれた。憲法を専門とし、平和主義や有事法制、憲法訴訟といった分野で重要な研究を行ってきた。その学術的な業績は、日本の憲法学の発展に大きく貢献している。

学歴・職歴

1966年に東京大学法学部を卒業後、同法学部の助手として研究活動をスタートさせた（1969年まで）。その後、1970年に東京経済大学の専任講師として教鞭をとり始め、1976年には助教授、1982年には教授へと昇進した。1988年には専修大学に移籍し、教授として後進の指導にあたった。1995年から1997年まで法学部長と理事を兼任し、大学運営にも貢献した。2012年に専修大学を定年退職し、名誉教授の称号を授与された。

研究分野

古川純の研究は、憲法を軸に、平和主義、有事法制、憲法訴訟など、多岐にわたる分野に及ぶ。特に、平和憲法の理念を深く探求し、その創造的な展開を提唱している。また、有事における法制度の問題点や憲法訴訟における重要な論点についても、精力的に研究を行った。これらの研究成果は、多くの著書や論文として発表され、学界に大きな影響を与えた。

著書

古川純は、数多くの著書を執筆している。主な著書には、以下のものがある。

『日本国憲法の基本原理』（学陽書房、1993年）
『日本国憲法・検証 1945-2000資料と論点 基本的人権』（小学館文庫、2001年）

これらの著書は、憲法の基本原理や人権に関する重要な論点を深く掘り下げており、学生や研究者にとって必読の文献となっている。また、共編著も多数あり、様々な角度から憲法について考察している。

『現代日本の法』共著（法律文化社、1974年）
『平和憲法の創造的展開　総合的平和保障の憲法学的研究』（和田英夫、深瀬忠一、小林直樹共編著、学陽書房、1987年）
『憲法の現況と展望』（山内敏弘共著、北樹出版、1989年）
『人間の歴史を考える 13 戦争と平和』（山内敏弘共著、岩波書店、1993年）
『東北アジアの法と政治』（内藤光博共編、専修大学出版局、2005年）
『無防備地域運動の源流 林茂夫が残したもの』（池田眞規,松尾高志,丸山重威,山内敏弘,吉池公史共編著、日本評論社、2006年）
『「市民社会」と共生 東アジアに生きる』編（日本経済評論社、2012年）

さらに、翻訳書も手掛けており、海外の重要な文献を日本の研究者に紹介することにも貢献している。

『GHQ日本占領史 第17巻 出版の自由』（岡本篤尚共訳、日本図書センター、1999年）

影響

古川純の研究は、単に学術的な領域にとどまらず、社会全体に対しても大きな影響を与えている。平和主義の理念を憲法学の観点から深く掘り下げ、その重要性を広く社会に訴え続けた。また、有事法制に関する議論にも積極的に参加し、憲法を基盤とした法制度のあり方を追求した。古川純の学問的な業績は、日本の憲法学の発展に大きく貢献しており、その研究は今後の憲法学の発展においても重要な基盤となるであろう。

参考資料

* 古川純教授 履歴・業績 専修法学論集 2012-03

脚注

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