古湊通

古湊通：神戸の歴史を刻む町

古湊通は、兵庫県神戸市中央区に位置する町名です。古湊通一丁目と古湊通二丁目からなり、郵便番号は650-0026です。今回は、古湊通の地理、歴史、経済、人口変遷について詳しく見ていきましょう。

地理

古湊通は、かつての生田区の西端に位置し、活気ある商業地域として知られています。北と東の北側は中町通、東の南側と南側は相生町、西側は兵庫区の新開地に隣接しています。周囲には、歴史を感じさせる建物や、現代的な商業施設が混在する、多様な表情を持つエリアです。

歴史

古湊通の歴史は古く、明治5年(1872年)に坂本村の一部として誕生しました。明治4年の鉄道敷設に伴い、福原町や相生町の住民が移転し、神戸と兵庫の間に新たな市街地が形成されたことが、古湊通誕生の大きな要因となっています。旧字名「古湊」から命名され、当初は一丁目から四丁目まで存在していました。

その後、古湊通は様々な行政区域の変遷を経験します。明治12年(1879年)には神戸区、明治22年(1889年)には神戸市に編入。昭和6年(1931年)には湊東区、昭和20年(1945年)には生田区、そして昭和55年(1980年)には中央区に所属することとなります。

明治7年(1874年)には、坂本村、宇治野村、兵庫町の一部を編入し、地域の拡大が図られました。昭和20年の区制再編成では、一丁目と二丁目が生田区に、三丁目と四丁目が兵庫区西古湊通となりました。西古湊通は、昭和49年(1974年)に新開地が正式な町名となった際に、その一部を構成するようになりました。昭和55年には、相生町と中町通との間で境界変更が行われています。

経済

古湊通は古くから商業が盛んな地域でした。かつては、椿原清次郎氏による果物商や青果問屋、坪由松氏による生魚商や生魚問屋などが存在し、地域経済を支えていました。現在も、多様な業種の商店が軒を連ね、地域住民の生活を支えています。

人口統計

古湊通の人口は時代とともに変化を遂げてきました。平成17年(2005年)の国勢調査によると、世帯数523世帯、人口803人（男性415人、女性388人）でした。昭和63年(1988年)には世帯数239世帯、人口545人、昭和35年(1960年)には世帯数35世帯、人口133人でした。さらに遡ると、大正9年(1920年)には世帯数564世帯、人口2787人、明治25年(1892年)には戸数571戸、人口2488人と記録されています。この人口変遷から、古湊通における都市化や社会変動の様子を読み取ることができます。

参考文献

交詢社編『日本紳士録 第29版』交詢社、1925年
交詢社編『日本紳士録 第35版』交詢社、1931年
神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年。ISBN 978-4-343-00437-6
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三 編『角川日本地名大辞典 28 兵庫県』角川書店、1988年。ISBN 978-4040012803

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