古虎渓駅

古虎渓駅：中央本線の秘境駅を訪ねて

古虎渓駅は、岐阜県多治見市諏訪町神田にある東海旅客鉄道（JR東海）中央本線の駅です。駅番号はCF11。周囲は山と庄内川（土岐川）に囲まれた自然豊かな場所に位置し、秘境駅としても知られています。

歴史と変遷

古虎渓駅の歴史は古く、1940年（昭和15年）10月10日、池田信号場として中央本線の多治見駅～定光寺駅間に開設されたのが始まりです。その後、1951年（昭和26年）3月1日、仮乗降場として旅客営業を開始し、1952年（昭和27年）4月1日に古虎渓駅となりました。
当初は旅客、手荷物、小荷物の取り扱いを開始しましたが、1970年（昭和45年）10月19日には荷物の取り扱いを廃止し、駅員無配置駅となりました。その後、1971年（昭和46年）3月22日に業務委託駅となり、2006年（平成18年）11月25日にはICカード『TOICA』の利用が可能になりました。国鉄分割民営化（1987年4月1日）後は、JR東海の駅として現在に至っています。

駅構造と設備

古虎渓駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。2つのホームは跨線橋で連絡しており、多治見駅管理の簡易委託駅となっています。かつては多治見市が受託し、地元住民が乗車券発売を行っていましたが、現在は一般社団法人が不定期に販売を行っています。マルス端末は設置されておらず、切符販売は手売りのみで、多治見駅で発行されたマルス券に日付のゴム印を押して販売されます。自動改札機はなく、TOICAは簡易改札機で対応しています。下り線と上り線にはそれぞれ保線用の側線があります。

利用状況と周辺環境

古虎渓駅の1日平均乗車人員は、『統計たじみ』を参照ください。駅周辺は庄内川と山に挟まれた谷や崖になっており、大雨時には土砂流入の危険性があります。駅東側の丘陵地は市之倉ニュータウンとして開発されています。また、当駅から庄内川を挟んだ反対側には愛知県瀬戸市との県境があります。

アクセスと周辺情報

古虎渓駅へのアクセスは、以下の公共交通機関が利用可能です。

多治見市自主運行バス（東濃鉄道委託）
古虎渓よぶくるバス（コミュニティタクシー、会員制）

周辺には三の倉市民の里「地球村」があり、自然豊かな環境を楽しむことができます。道路アクセスは岐阜県道123号市之倉内津線と岐阜県道15号名古屋多治見線（愛岐道路）が利用可能です。

興味深い歴史的背景

かつて、多治見駅～高蔵寺駅間には14箇所のトンネルがあり、その建設には20名以上の犠牲者が出たと言われています。これらのトンネルは1966年（昭和41年）に愛岐トンネルの完成によって廃線となり、2009年（平成21年）2月に「愛岐トンネル群」として近代化産業遺産に認定されています。現在の古虎渓駅は、かつての9号トンネル跡地に建設されています。JR東海の駅名標、切符、運賃案内板では、駅名は旧字体で「古虎溪」と表記されています。

隣の駅

古虎渓駅は、歴史と自然に囲まれた魅力的な駅です。秘境駅としての雰囲気と、周辺の史跡や自然に触れることができるロケーションは、鉄道ファンやハイキング愛好家にとって魅力的な場所と言えるでしょう。

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