古都清乃

演歌歌手 古都清乃：和歌山ブルースのヒットから続く、長く豊かなキャリア

1947年、栃木県に生まれた古都清乃さんは、小学校5年生の時に群馬県太田市へ転居。県立太田女子高校在学中に上京し、歌謡界入りを果たします。その才能はすぐに認められ、1965年には吉田学校に入門、同年、橋幸夫・新歌舞伎座公演でデビューを飾りました。

初期の活動を経て、1968年には「串本育ち／和歌山ブルース」を発表。しかし、この曲が真に注目を集めるのは1979年、有線リクエストが殺到し、大ヒットを記録してからでした。

「和歌山ブルース」は、和歌山市のぶらくり丁商店街を舞台にした楽曲です。カラオケブームも追い風となり、この曲はロングセラーとなり、2020年までに100万枚近い売上を記録しました。この大ヒットは、古都清乃さん自身の成功だけでなく、和歌山県の知名度向上にも大きく貢献しました。その功績を称え、2004年にはぶらくり丁の雑賀橋畔に歌碑が建立され、「和歌山ブルース」が流れる仕組みが導入されています。2014年9月時点での再生回数は8万3200回を超えています。

「和歌山ブルース」の成功は、古都清乃さんのキャリアの大きな転換点となりました。その後も精力的に活動を続け、1995年には「長良川夜曲」で日本有線大賞有線音楽賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

彼女の活動は音楽だけにとどまりません。2008年には和歌山市観光発信人に委嘱され、2012年には和歌山県文化功労章を受賞するなど、和歌山県との深い関わりを持っています。また、1990年から続けている「古都清乃チャリティーゴルフ大会」は、2020年で23回目を迎えるなど、長年にわたる社会貢献活動にも取り組んでいます。

テレビドラマへの出演も多数あります。関西テレビの「船場」(1967年)、フジテレビの「ライオン奥様劇場 慟哭の花」(1971年)、「銭形平次」(1972～1974年)、「伊豆の佐太郎」(1973年、NET)など、幅広い作品に出演し、その演技力も高く評価されています。

さらに、NHK歌謡コンサートやBS日本のうたなど、数々の歌番組に出演し、その歌声は多くの人々の心を捉えています。2011年には、「第38回日本歌手協会歌謡祭」にも出演し、井上あずみ、クミコ、倍賞千恵子らと共演しました。2008年には新宿コマ劇場で特別公演を開催、2010年には歌手生活45周年記念公演を博品館劇場で開催するなど、精力的なステージ活動も継続しています。ラジオ番組への出演経験もあり、幅広いメディアを通じて活躍しています。

古都清乃さんのディスコグラフィは、ビクターレコードからのシングルリリースを中心に構成されています。デュエットシングルや非売品シングル（古都清乃・和田弘とマヒナスターズ名義）も存在します。スーパー松源のCMソングも担当しており、「和歌山ブルース」と共に和歌山県内では広く知られています。日本テレビ系の「秘密のケンミンSHOW」では、和歌山県出身の歌手・玉置成実さんがこの曲を歌唱したこともあります。

古都清乃さんは、半世紀以上にわたる音楽活動を通じて、数々のヒット曲を生み出し、多くのファンを魅了し続けています。「和歌山ブルース」の歌碑に刻まれた歌声は、彼女の長く豊かなキャリアと、和歌山県への深い愛情を物語っています。これからも彼女の活躍が期待されます。

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