台中捷運緑線

台中MRT緑線は、台中市における重要な都市交通インフラです。全長16.71kmの路線は、高架区間が15.94kmと大半を占め、0.77kmの地上区間を含みます。北屯区の松竹路二号橋付近を起点とし、北屯路、文心路、文心南路を経由、その後建国北路と台湾鉄路管理局台中線に並行し、高鉄台中駅（台湾高速鉄道の台中駅、台鉄新烏日駅）へと至ります。

この路線の建設は、台北市政府捷運工程局が主導し、開業後の運営は台中捷運公司が行っています。さらに、北屯区郊外への大坑延伸線、彰化市内への彰化延伸線という二つの延伸計画が進行中です。

沿革

緑線の歴史は、1998年に台湾省政府が発表した「台中都会区捷運路網細部計画」に遡ります。当初は地下埋設型の中規模輸送システムが計画されましたが、1999年に交通部高速鉄路工程局へ計画立案が移管された際、高架式の高速ライトレール方式へと変更されました。

2004年10月には、行政院によって優先建設区間が決定し、15駅からなる「烏日文心北屯線」の計画が策定されました。その後、駅位置の調整や2駅の追加を経て、2008年11月には台北市政府捷運工程局が入札と監督業務を代行することが決定、2009年10月に正式に着工しました。

車両と機電工程は、川崎重工業、アルストム、中鼎工程によるコンソーシアムが落札しました。しかし、2015年には建設現場での橋桁落下事故が発生し、複数名の死傷者を出すという痛ましい事故も発生しました。その後も、鉄筋や防振ゴムの落下事故がありましたが、幸いにも大きな怪我には至りませんでした。2016年には高架橋が全て連結され、土木工事が完了しました。

2017年には川崎重工業兵庫工場で車両落成式典が開催され、車両の輸送と試験運転が開始されました。そして、2018年には全線での試運転を開始し、駅名が正式に決定しました。開業準備として、捷運先導バスも運行を開始しました。

2020年には、台中捷運公司が全ての施設を引き継ぎ、運賃や開業までのロードマップが示されました。しかし、開業直前の車両連結器のトラブルにより、開業が一時中止されるという事態も発生しました。その後、2021年3月にプレ営業を再開し、4月25日にようやく正式開業を迎えることになりました。

延伸計画

彰化延伸計画 は、中央政府が推進する公共インフラ事業「前瞻基礎建設計画」にリスト入りしています。彰化県政府と市公所との間で計画案の対立がありましたが、交通部のF/S審査を経て、台鉄が計画中の金馬駅に延伸する計画が提出されています。

大坑延伸計画 についても、2駅、2.49kmの延伸計画について交通部が原則同意を表明し、細部の調整後、行政院審査に送付される予定です。

運賃

運賃は、悠遊卡（Easycard）、一卡通（iPASS）、愛金卡（icash2.0）に対応しています。台中市市区公車では既に10kmまで無料となっており、乗り継ぎ割引は導入されていません。普通運賃の他に、1日券、24時間券、48時間券も販売されています。

車両

川崎重工製の鉄輪式車両が採用されており、無人運転に対応しています。各車両に5つのドアを持つ2両編成で、2017年内に納入されました。全18編成のうち半数は台湾車輌公司によるノックダウン生産です。

2020年には、増発や延伸を見据え、10編成（20両）の追加調達が必要との議論がありました。

車両の主な仕様

集電方式：第三軌条式
編成長：全長44.34m、全幅2.98m、全高3.78m
編成：2両
定員：536人
最高速度：70km/h

駅一覧

（駅一覧は省略）

脚注

（脚注は省略）

関連項目

台湾の鉄道
捷運
台中捷運

外部リンク

（外部リンクは省略）

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