台北市立天母野球場

台北市立天母野球場

台北市立天母野球場は、台湾の台北市士林区にある野球専用施設で、主にプロ野球チーム「味全ドラゴンズ」のホームグラウンドとして知られています。この球場は、台湾で行われる重要な試合の舞台となるだけでなく、国際大会も数多く開催されてきました。

建設の背景と拡張

天母野球場は、1997年に建設を開始し、1999年に完成しました。当初の計画では観客収容人数は20,000人を予定していましたが、地域住民からの騒音に関する懸念から、結局6,000人収容に縮小されました。2010年にはIBAFワールドカップの開催に伴い、さらに拡張工事が行われ、収容人数が10,000人に増加しました。特に、台北市立体育学院が所有するこの野球場は、プロ野球ファンの声援を受けつつ、国際試合にも対応できるような設計がなされています。

設備のアップグレード

開場当初は天然芝のグラウンドでしたが、2020年に人工芝に改修され、台北ドームが開場するまでは台湾唯一の屋外人工芝野球場となりました。この改修は選手たちのプレイ向上だけでなく、観客にとっても快適な観戦環境を提供するために行われたものです。

運営権の移行とその影響

2020年には、味全ドラゴンズが球場の運営権を取得し、その後、訓練施設の充実や観客に向けた設備改善が行われました。特に、内野席には円形LEDスクリーンが設置され、観戦の質が一段と向上しました。また、ピクニックゾーンの新設など、ファミリー層にも楽しんでもらえる空間が創出されました。

主な試合と国際大会

球場では数多くの重要な試合が行われてきました。2002年には日本プロ野球の公式戦が行われ、観客動員数23,000人という記録を生み出しました。2006年にはIBAF女子ワールドカップの会場としても利用され、2017年の夏季ユニバーシアードでは、日本代表が金メダルを獲得する舞台にもなりました。さらに、2018年には東北楽天ゴールデンイーグルスとLamigoモンキーズの対戦があり、交流戦が盛り上がりました。

騒音対策と特別ルール

周辺が高級住宅地であることから、騒音対策が重要視されています。試合の開催日が金土日曜日に限定されていた昔に比べ、現在は制限が緩和され、曜日を問わず試合が行われるようになりました。しかし、午後10時を過ぎると特別ルールが適用され、試合が短縮されることもあります。

交通アクセス

アクセス面でも便利な立地にあり、台北捷運（地下鉄）を利用する場合は、芝山駅や士林駅からシャトルバスで簡単にアクセスできます。また、公共交通機関も充実しており、バス停が近くに設置されています。

台北市立天母野球場は、地域に密着した存在でありながら、国際的な舞台でも活躍できる選手たちを生み出すための重要な設備と機能を持っています。これからも、多くのファンと共にさらなる発展を期待されています。

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