台湾総督府専売局

台湾総督府専売局

台湾総督府専売局（たいわんそうとくふせんばいきょく）は、台湾総督府に設置された官庁の一つで、専売制度に基づき、特定の商品の生産や流通を管理していました。具体的には、阿片、食塩、樟脳、樟脳油、煙草、酒類など、さまざまな商品を対象とした専売業務を行っていました。この局は、台湾における商業管理の一環として重要な役割を果たしました。

沿革

この専売局は1901年6月1日に設立され、当初、阿片を扱う台湾総督府製薬所、食塩を管理する台湾塩務局、そして樟脳を取り扱う台湾樟脳局の三つの組織が統合された形で誕生しました。設立時の局長は、当時の民政長官でもあり、官庁の最高位にあたる人物が担っていましたが、1902年の官制改正によってこの兼任が撤廃されました。

専売局の業務は次第に拡張し、1905年には煙草の取り扱いが追加されました。さらに、1922年4月1日には酒類が新たにケースに加わることとなります。これにより、専売局の管轄商品は多様化し、台湾における重要な経済要素を担うこととなりました。次に、太平洋戦争が勃発した1942年6月24日には燐寸（マッチ）が、1943年4月26日には石油、1944年9月15日には苦汁（にがり）が追加され、専売局は戦争の需要にも応じた商品管理を行いました。

機構

1940年時点の専売局は、以下の部門から構成されていました。

• - 庶務課: 書類処理や人事関連を担当。
• - 経理課: 会計業務を専門とし、財務管理を行う。
• - 製造課: 商品の製造に関連する業務を管理。
• - 事業課: 専売商品に関連する事業を企画・運営。
• - 塩蔘課: 塩に関する事務を担当。

これらの課はそれぞれの専門性を持っており、専売局全体の機能を支える重要な役割を果たしていました。

歴代局長

専売局の局長には民政長官が就任し、その外部には実績のある官僚や専門家が選ばれました。これにより、取り扱う商品が増える中で、専門的な知識と経験が生かされる体制が築かれていきました。

参考文献

台湾総督府専売局に関する詳しい情報は、岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』（三元社、2008年）や、秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』（東京大学出版会、2001年）等の文献が役立ちます。

この専売局は、台湾経済の形成に影響を与えただけでなく、主権や管理の側面においても重要な役割を持っていました。特に、戦時中の管理強化は、戦略的資源の確保や国民生活の安定に寄与したと言えるでしょう。

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