台湾鉄路管理局DR2300型気動車

DR2300型・DR2400型気動車の歴史

台湾鉄路管理局（台鉄）でかつて運用されていたDR2300型気動車と、その準同型であるDR2400型気動車について解説します。これらの車両は、台湾の鉄道史において重要な役割を果たしました。

前史：ガソリン動車時代

DR2300型、DR2400型のルーツは、1935年（昭和10年）に台湾総督府交通局鉄道部が導入した機械式ガソリン動車に遡ります。日本車輌製造製の車両はキハ300形、川崎車輛製の車両はキハ400形と形式が分けられましたが、車体は同時期に製造された国鉄キハ42000形気動車とほぼ同型でした。

1935年にキハ300形3両、キハ400形2両が製造され、翌1936年にはキハ300形2両、キハ400形2両が追加製造されました。1937年には、キハ300形はナキハ2300形、キハ400形はナキハ2400形に改称され、さらに両形式とも2両ずつが増備されました。戦時中も廃車されることなく、光復（終戦）後には全13両が接収され、それぞれ30GA2300型、30GA2400型ガソリンカーと改番され、支線区で引き続き使用されました。

ディーゼル化と車体更新

1954年、アメリカの援助により、エンジンがカミンズNHHB-600ディーゼルエンジン（200HP）に、変速機が液体式変速機に換装されました。これにより総括制御が可能となり、1957年には30DR2300型、30DR2400型ディーゼルカーと改番されました。

1955年から1958年にかけて車体更新が実施されました。1957年までに更新された7両は、前面形状が平妻に改造され、先頭部に貫通扉が設置されました。片側の運転台横には洗面所が設けられましたが、その他の車体形状は大きく変更されませんでした。これらは主に北部地区の支線で使用されました。

1958年に更新された6両は、窓をバス窓に変更するなどの改造が施され、宜蘭線で使用されました。1960年頃には、台車が高速走行に対応できるコイルバネ式に換装されました。1969年から1970年には再び車体更新が行われ、DR2500型に類似した車体が新製され、乗せ換えられました。その後、35DR2300型、35DR2400型ディーゼルカーと改番されました。

その後と引退

しかし、車体の腐食が激しかったため、1983年から1985年にかけて唐栄鉄工廠で再度車体が新製され、乗せ換えられました。この際、窓がバス窓から1段上昇式に変更されました。その後も支線区で使用されましたが、1991年にはDR2400型の1両が事故で廃車となりました。残りの車両も、DR2100・2200型と同様に、日本製DR1000型に置き換えられ、1999年（民国88年）に全車が廃車となりました。

現存車両

DR2303とDR2404の2両は、廃車後に花蓮機務段台東機務分段に疎開留置されていましたが、2018年6月に文化資産としての修復・展示のため台北機廠に搬入されました。その後、台湾車輌にて修復され、2022年7月30日に国家鉄道博物館準備処のイベントで初めて一般公開されました。今後は博物館内にて動態保存される予定です。

関連情報

国鉄キハ42000形気動車: DR2300型・DR2400型の車体形状に影響を与えた車両です。
外部リンク:
鉄道ホビダス「編集長敬白」
台湾中央研究院「老臺灣素描」
* 台湾鉄路管理局鉄道博物館網 (いずれも正体字中国語)

これらの情報から、DR2300型・DR2400型気動車が台湾の鉄道史において重要な役割を果たし、その変遷が興味深いものであることがわかります。

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