台湾鉄路管理局E100型電気機関車

台湾鉄路管理局E100型電気機関車

台湾鉄路管理局（台鉄）E100型電気機関車は、台湾で初めて導入された交流電気機関車です。1974年に縦貫線の電化に合わせてイギリスのゼネラル・エレクトリック・カンパニー（GEC）から20両が購入されました。

導入の背景

台鉄は、縦貫線の電化に伴い、電気機関車の導入を計画しました。そこで選ばれたのが、イギリスGECが製造し、南アフリカのユニオン・キャリッジ・アンド・ワゴン（UCW）が製造を担当したE100型でした。台鉄はこれらをE101からE120までの車輌番号を与え、運用を開始しました。

特徴

E100型は、最大出力2,750HP、牽引力18,500kgwを有しており、当時の台鉄で運用されていたR150型ディーゼル機関車には及ばないものの、当時の輸送状況を鑑みれば十分な性能を持っていました。また、ディーゼル機関車と比較して運転が容易であるというメリットもありました。

しかし、製造国であるイギリスと南アフリカの鉄道電化方式が台湾と異なっていたため、製造国での十分なテスト走行ができませんでした。そのため、台湾到着後に台北機廠で品質管理と各種テストを実施することになり、製造工場での改良ができないまま、初期不良が頻発するという問題を抱えることになりました。初期不良が一段落した後、全車が営業運転に投入されましたが、電気機械システムの品質問題は依然として残りました。

また、E100型には電動交流発電機（M-A set）が搭載されていなかったため、客車の空調用電源を供給するには電源荷物車を連結する必要がありました。同時期に導入されたE200型、E300型、E400型電気機関車には電動交流発電機が搭載されていたため、空調付き客車の運用はそちらが担うことが多くなりました。

運用状況

E100型は、全車が彰化機務段に配置され、主に電源供給を必要としない普快車や貨物列車に使用されました。2007年までに全車の運用が終了し、現在はE101号機のみが彰化扇形庫で保存されています。

事故と廃車

E100型は、運用期間中に事故に遭遇した車両もありました。1996年3月30日には、E113号機が斗南で発生した火災事故により廃車となり、1997年3月11日には、E105号機が新竹貨場でE211号機と衝突事故を起こして廃車となりました。E105、E106、E114号機は台北機廠で解体され、その他は彰化機務段で解体されました。

保存車両

E101号機は、2022年5月7日に富岡車両基地で外観整備を受けた後、8795次列車として、E302号機（本務機）とE335号機に挟まれた状態で、彰化機務段へ回送されました。現在、同機は彰化扇形庫にて保存されています。

まとめ

E100型電気機関車は、台湾初の交流電気機関車として導入されましたが、初期不良や構造上の問題により、短期間で運用を終えることとなりました。しかし、その存在は台湾鉄道史において重要な意味を持っており、保存されているE101号機がその歴史を今に伝えています。

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参考文献

Train Collection-台鐵E100型電力機車
UCW Technical Information-Electric Locomotive(AC)(存於網際網路檔案館)

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