彰化扇形庫

彰化扇形庫：台湾に残る貴重な鉄道遺産

彰化扇形庫は、台湾中部の彰化県彰化市に位置する扇形機関庫です。台湾鉄路管理局（台鉄）縦貫線の彰化駅北側に隣接する彰化機務段（彰化機関区）に属し、転車台と共に、蒸気機関車の運行終了後も現役の車両基地として使用されています。

歴史

1922年（大正11年）に建設された彰化扇形庫は、転車台を中心に放射状に12本の車庫線が配置されています。半円形に弧を描く車庫が特徴で、台湾の日本統治時代における重要な産業遺産の一つです。当時は台湾各地に5箇所の扇形庫が存在しましたが、彰化を除く他の4箇所は1994年までに解体されました。

1995年、台鉄は中部電聯車維修基地（中部電車車両基地）建設のために彰化扇形庫の撤去を計画しましたが、地元住民や鉄道ファンによる熱心な保存運動により、この計画は中止されました。その結果、電車車両基地は彰化駅南側に移設され、彰化扇形庫は現在までその姿を保っています。

彰化扇形庫は、台湾で唯一保存されている扇形庫であり、彰化県の県定古蹟にも指定されています。2001年には、台湾十大土木史蹟にも選定されており、その歴史的・文化的価値が認められています。

さらに、2019年12月6日には、日本の豊後森機関庫と姉妹提携を締結し、国際的な交流も深めています。2022年4月22日には、建設から100周年を迎え、中華民国文化部による審議の結果、国定古蹟への昇格案が可決されました。

現況

台湾鉄路管理局は、毎年6月9日（鉄道節）前後に施設内の一般公開を行っています。現在も現役で使用されており、車庫内では車両の保守作業が行われています。一般公開日以外に見学する際には、入口の守衛室で氏名と電話番号を記入する必要があります。

見学時間

• - 平日(火～金)：13:00～16:00
• - 休日：10:00～16:00
• - 定休日：月曜日

車庫内には、CK101、CK124、DT668の3両の蒸気機関車と、1両の蒸気式操重車が保存されています。

ギャラリー

（画像は省略）

関連施設

• - 鉄道保存展示施設
• - 苗栗鉄道文物展示館
• - 国立鉄道博物館（ポルトガル・エントロンカメント駅隣接）：扇形車庫がある

彰化扇形庫は、台湾の鉄道史において重要な役割を果たした遺産であり、その歴史的価値と美しい構造は、訪れる人々に深い感動を与えます。鉄道ファンだけでなく、歴史や文化に興味がある方にもぜひ訪れていただきたい場所です。

もう一度検索