須々万沼城

須々万沼城（すすまぬまじょう）

須々万沼城は、現在の山口県周南市須々万本郷に位置していた日本の城です。かつての周防国都濃郡に存在しました。

概要

標高の低い丘陵の頂部に本丸を配置した城で、地形的に非常に険しいわけではありませんでした。しかし、築城当時は城の三方を沼が囲んでおり、天然の要害となって敵の侵入を阻む、難攻不落の城であったと考えられています。

沿革

須々万沼城は室町時代に築かれたとされていますが、正確な築城年や築城主は明らかになっていません。

戦国時代、弘治元年（1555年）に始まった毛利元就による防長経略において、須々万沼城は重要な戦いの舞台となりました。鞍掛合戦に続く大きな戦いとして知られています。

当時、大内氏の家臣であった山崎興盛や江良賢宣らが城に籠り、攻め寄せる毛利軍と激しい攻防を繰り広げました。小辻川を堰き止めて防御を強化し、必死の抵抗を試みましたが、毛利軍は沼を筵（むしろ）で埋め立て、火縄銃による射撃で城内の兵士たちの戦意を徐々に奪っていきました。

ついに弘治3年（1557年）、毛利軍が城内に乱入し、城に籠っていた老若男女1,500人（あるいは3,000人とも）が斬殺されるという悲劇が起こりました。城将であった山崎興盛・隆次親子は自害し、城主の江良賢宣は降伏。これにより、須々万沼城は落城しました。

落城後、城は廃城となったと考えられています。

現在

現在、城跡には住宅や各種施設が建設されており、城の遺構はほとんど残っていません。しかし、保福寺の正門前には須々万沼城に関する説明板が設置されており、裏手には沼城址の碑と説明板が建てられています。

また、須々万地区を校区とする周南市立沼城（ぬまぎ）小学校は、その名に「沼城」を冠し、地域の歴史を今に伝えています。

さらに、須々万に位置する山口県立徳山北高等学校の校歌には、「桜花 散るをも待たで沼城に 命を絶ちし名将の 心知らずや」という一節があり、須々万沼城の歴史を偲ぶことができます。

関連項目

防長経略
日本の城一覧
* 大内氏館 - 高嶺城 - 右田ヶ岳城 - 富田若山城 - 須々万沼城 - 鞍掛山城 - 蓮華山城

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