司馬裒

司馬裒（しば ほう）

司馬裒（300年 - 317年）は、中国の晋王朝時代の皇族であり、琅邪孝王として知られています。字（あざな）は道成。

生涯

司馬裒は、後の初代皇帝となる司馬睿とその側室である荀氏の間に次男として生まれました。しかし、母である荀氏の身分が低かったため、父である司馬睿の指示により、虞妃という別の女性によって養育されることとなりました。

彼は最初、叔父である司馬渾の跡を継ぎ、長楽亭侯となりました。その後、宣城郡公に移封され、後将軍に任じられました。父の司馬睿が晋王となると、司馬睿は長男である司馬紹を差し置いて、司馬裒を皇太子にしようと検討しました。しかし、司馬睿が王導に相談したところ、王導は長幼の序を重んじるべきだと強く主張したため、結局、司馬紹が皇太子に立てられることになりました。

317年3月、司馬裒は琅邪王に封じられました。会稽郡と宣城郡において、5万2000戸という広大な食邑を与えられました。さらに、散騎常侍、使持節、都督青徐兗三州諸軍事、車騎将軍という重要な役職に任じられ、広陵に赴任しました。同年6月、後趙の石勒が石虎を派遣して譙城を包囲しましたが、東晋の平西将軍である祖逖が石虎の軍勢を打ち破りました。司馬裒は、九軍3万の兵を率いて祖逖の指揮下に入り、石虎を追撃するように司馬睿から命じられました。しかし、まもなく建康に召還されました。

同年10月、司馬裒はわずか18歳という若さで亡くなりました。その功績を称えられ、車騎大将軍の位が追贈され、侍中の位が加えられました。さらに、穆帝の時代には、太保の位が贈られました。

家族

妻：
山氏（琅邪王妃）

子：
司馬安国（琅邪哀王、早世）

評価

司馬裒は若くして亡くなりましたが、東晋王朝の初期において重要な役割を果たしました。彼の軍事的才能と政治的手腕は高く評価されており、その功績は後世にまで語り継がれています。

参考文献

* 『晋書』巻64 列伝第34

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