鈴木典比古

鈴木典比古（すずき のりひこ）

1945年5月30日生まれ。日本の経営学者であり、国際経営論を専門としています。国際基督教大学（ICU）名誉教授であり、広島県公立大学法人の理事長を務めています。過去には国際教養大学（AIU）の学長、国際基督教大学の学長を歴任しました。

人物

栃木県那須塩原市の雑貨屋に生まれました。父親は元職業軍人でした。一橋大学経済学部を卒業し、学部時代は板垣與一教授のゼミに所属していました。板垣ゼミの同級生には外交官の岡本行夫氏がいます。板垣教授の定年退官後、大学院では小島清教授の指導を受けました。国際開発センターからの奨学金を得て、インディアナ大学に留学し、経営学博士（DBA）を取得しました。

ワシントン州立大学、イリノイ大学で教鞭を執り、その後、ワシントン大学の客員教授、国際基督教大学の学長、アジア・キリスト教大学協会の理事長、国際教養大学の理事長兼学長を歴任しました。

教え子には、ドン・キホーテ社長の吉田直樹氏や駒澤大学学長の各務洋子氏などがいます。

略歴

1964年：栃木県立大田原高等学校卒業
1968年：一橋大学経済学部卒業、農林中央金庫入行
1972年：一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、同博士課程進学
1973年：インディアナ大学経営大学院博士課程入学
1974年：インディアナ大学経営学部授業助手
1978年：インディアナ大学経営大学院博士課程修了、経営学博士(DBA)
1978年：ワシントン州立大学経営経済学部助教授
1982年：ワシントン州立大学経営経済学部准教授
1982年：イリノイ大学経営学部助教授
1986年：国際基督教大学（ICU）教養学部社会科学科準教授
1990年：国際基督教大学教養学部社会科学科教授
1991年：ワシントン大学経営学部客員教授
1993年：国際基督教大学教養学部国際関係学科長
1999年：国際基督教大学学務副学長
2004年：国際基督教大学学長
2010年：アジア・キリスト教大学協会理事長
2012年：国際基督教大学退職、公益財団法人大学基準協会専務理事・業務執行理事
2013年：公立大学法人国際教養大学（AIU）理事長兼学長
2017年：特定非営利活動法人三鷹ネットワーク大学推進機構理事長
2021年：公立大学法人国際教養大学（AIU）理事長兼学長を退任、那須塩原市市政アドバイザー、杏林大学客員教授
2023年：広島県公立大学法人理事長
2024年：瑞宝中綬章受章

その他、岡山大学外部評価委員、杏林大学理事・特任教授、特定非営利活動法人三鷹ネットワーク大学推進機構学長、財団法人大学基準協会副会長、高等教育質保証学会副会長、中央教育審議会大学教育部会委員、大学設置・学校法人審議会委員、国立大学法人評価委員会委員、特定非営利活動法人国際教育交流協議会理事、特定非営利活動法人学校経理研究会理事、公益財団法人海外子女教育振興財団評議員、日本私立大学団体連合会代議員、公益財団法人大学セミナー・ハウス監事、大学マネジメント研究会理事、特定非営利活動法人キャリア文化研究所理事等も歴任。

2010年から2012年まで国立大学法人一橋大学経営協議会学外委員、2011年から三鷹市教員委員会委員等も務めました。

取り組み

国際基督教大学（ICU）時代

特色ある大学教育支援プログラムに採択
2003年度、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」（特色GP）に、ICU教養学部の申請担当者として申請しました。ICUの取り組みテーマは「責任ある地球市民を育むリベラル・アーツ」でした。文部科学省は、ICUの取り組みを「時代と社会の要請に応えるべく授業評価なども早くから取り込み、学生の高い評価を得て学術基礎教育の充実を図っており、他大学に対してもモデルとなる多くの内容を備えている先駆的取組」と評価し、採択しました。採択期間は2003年度から2006年度まででした。
メジャー制度への移行
2008年に1学部6学科制から1学部1学科制（アーツ・サイエンス）の「メジャー制」に移行しました。この結果、2年連続で受験生が増加しました。
アカデミックプランニング・センターの創設
創立以来のアドヴァイザー制度に加え、2008年度からアカデミックプランニング・センターによる学修支援を開始しました。新カリキュラムによるメジャー制導入に伴い、ガイダンスの実施や情報提供を通じて学生の学修計画を支援しています。
学生寮の新設
全人的教育としてのリベラルアーツの観点から、学生寮を教育寮として位置づけ、2010年に欅寮、2011年に欅寮と同規模の銀杏寮と樫寮を竣工しました。

国際教養大学（AIU）学長時代

2013年、中嶋嶺雄学長の死去に伴い、鈴木氏がAIUの第2代学長に就任しました。中嶋氏の妻・洋子氏は、「中嶋嶺雄が、鈴木さんについては、大学教育の考え方が全く一致している、と言っていました」と述べています。また、大学教育の考え方が一致していたことや、海外の博士号を持っていることが、AIU学長に適任とされました。
ALSCの設置
2013年10月7日、能動的学修支援センター（ALSC）を設置しました。
スーパーグローバル大学に採択
2014年、文部科学省が創設したスーパーグローバル大学事業に、AIUの構想責任者として申請しました。テーマ別ハウス群の設置や外国人留学生向け日本研究科目の充実、英語教育の実践的方法論を初等中等教育に還元する構想などが評価され、AIUの構想が採択されました。事業規模は10年間で約18億円です。

恩師

指導教官以外では、一橋大学名誉教授の宮川公男氏が恩師です。家族のことを考えて帰国を考えていた際、宮川氏から国際基督教大学を紹介されました。

受賞

経営科学文献賞（1988年）

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