吉原道臣

吉原道臣：ハマの『暫定大魔神』、その野球人生と引退後の挑戦

吉原道臣（よしはら みちおみ、1981年10月29日 - ）は、東京都新宿区出身の元プロ野球選手。投手として横浜ベイスターズ（現・横浜DeNAベイスターズ）に所属し、その特徴的な投球スタイルから『暫定大魔神』の愛称でファンに親しまれました。引退後は、異業種でのキャリアを積みながら、シッティングバレーボールの普及活動にも貢献。現在は焼き鳥屋の経営者として新たな道を歩んでいます。

プロ入り前

日大豊山高校時代には、3年生の夏の東東京大会2回戦で、6回参考記録ながらノーヒットノーランを達成。日本大学に進学後、1年春にはリーグ戦で先発勝利を飾りました。しかし、チームには館山昌平、堤内健、那須野巧といった実力派投手が揃っており、登板機会は限られました。東都大学野球リーグ戦では、通算19試合に登板し、1勝3敗の成績を残しています。

大学卒業後は、社会人野球の強豪・ホンダに進み、都市対抗野球にも出場。着実に実力を磨き、2006年の大学・社会人ドラフト会議で横浜ベイスターズから6巡目で指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。背番号は45。

プロ野球選手として

2007年、吉原は一軍で開幕を迎え、4月1日の読売ジャイアンツ戦でプロ初登板を果たしました。しかし、この試合では対戦した打者全てに四球を与えてしまい、早期に二軍降格となります。二軍では、先発・リリーフの両方を経験し、3勝1セーブを記録しました。

2008年は、6月に一軍登録されると、初登板から11試合連続無失点を記録。7月6日の阪神タイガース戦では、2イニングを無失点に抑え、チームが勝ち越したことでプロ初勝利の権利を得ましたが、9回にチームが逆転を許し、お預けとなりました。このシーズンは、25試合に登板し、8ホールドを記録しましたが、安定した成績を残すことができず、一軍に定着するには至りませんでした。

2009年は、イースタン・リーグで13試合に登板しましたが、故障の影響もあり、一軍での登板機会はありませんでした。2010年も、二軍で11試合に登板しましたが、防御率は2桁台と振るわず、2年連続で一軍登板なし。同年10月に戦力外通告を受けました。

現役続行を希望した吉原は、2010年11月に行われた12球団合同トライアウトに参加しましたが、他球団からのオファーはなく、現役引退を決意しました。

引退後

2011年5月に個人ブログを開設し、同年4月から製薬会社に勤務していることを明かしましたが、約1年半で退職。2014年10月にはOA機器販売会社のオフィス24へ転職し、営業部を経て、2015年6月から広報室兼人事広報部へ異動しました。同社では、シッティングバレーボールチームが結成されたことを機に、チームの責任者として活動。選手として日本選手権に出場したり、一般向けの教室を定期的に開催するなど、普及活動に力を注ぎました。

2018年7月からは、焼き鳥屋「酔串亭 笑吉」を経営していましたが、2023年2月に閉店しました。

プレースタイルと人物

吉原は、最速151km/hのストレートと、カットボール、カーブ、落差の大きいフォークを武器とする投手でした。横浜入団時には、「クルーン投手のような速球派の投手になりたい」と抱負を語っていました。その投球スタイルや救援主体の起用法から、『暫定大魔神』の愛称が付けられました。

横浜時代には、前期と後期でサインの種類を変えており、後期のサインには、自身の名前にちなんで「道」と記していました。

シッティングバレーボールの普及活動に関わるようになったのは、勤務先のオフィス24が日本シッティングバレーボール協会とスポンサー契約を結んだことがきっかけです。吉原は、自身のプレー経験を基に、「野球もシッティングバレーも奥が深い」「前後の移動や座りながらのプレーは難しいけど、（シッティングバレーは）チームスポーツなので楽しい。障害者支援の一つとして、少しでも力になりたい」と語っています。

詳細情報

ポジション：投手
投打：右投右打
身長：183cm
体重：83kg
出身地：東京都新宿区
経歴：日大豊山高 - 日本大 - ホンダ - 横浜ベイスターズ (2007 - 2010)

年度別投手成績

（成績は省略）

記録

初登板：2007年4月1日、対読売ジャイアンツ3回戦（横浜スタジアム）
初奪三振：2007年8月26日、対東京ヤクルトスワローズ15回戦（明治神宮野球場）
初ホールド：2008年6月18日、対千葉ロッテマリーンズ4回戦（横浜スタジアム）
初先発：2008年9月11日、対広島東洋カープ21回戦（広島市民球場）

背番号

* 45（2007年 - 2010年）

吉原道臣は、プロ野球選手としての短い期間に様々な経験をし、引退後も新たな分野で活躍を続けています。そのチャレンジ精神と社会貢献への意識は、多くの人々に勇気を与えています。

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