吉國二郎

吉國二郎の生涯

吉國二郎（よしくに じろう）は、1919年6月11日に生まれ、1997年9月5日に78歳で亡くなった日本の官僚、実業家です。最終的な位階は従三位でした。彼は、国税庁長官（第11代）、大蔵事務次官、横浜銀行頭取といった要職を歴任し、日本の経済界に大きな影響を与えました。

生い立ちと官僚としてのキャリア

神奈川県出身の吉國二郎は、旧制東京高等学校を経て東京帝国大学法学部法律学科を卒業後、大蔵省に入省しました。初期には預金部兼大臣官房文書課に配属されました。その後、1945年10月には下京税務署長に任命され、税務行政のキャリアをスタートさせました。

吉國二郎は、主税局税制第二課長、理財局証券第二課長、理財局証券第一課長、主税局総務課長、大臣官房文書課長、大臣官房財務調査官（主税局担当）、東京国税局長など、大蔵省内の重要なポストを歴任しました。1967年8月には証券局長、同年11月には主税局長に就任し、1969年には国税庁長官に任命されました。

1972年6月27日には、大蔵事務次官という大蔵省のトップに就任しました。しかし、翌年の1973年6月26日には退官しました。

実業家としてのキャリア

官僚退任後、1975年には横浜銀行の頭取に就任しました。その後、会長、相談役、名誉会長を歴任し、金融業界でもその手腕を発揮しました。

衆議院での証人喚問

1948年5月、吉國二郎は大阪北税務署時代に、竹中工務店、梅林組、清水組に対する融資問題に関与したとして、衆議院不当財産取引調査特別委員会に大阪造幣局長の前尾繁三郎とともに証人喚問されました。この事件は、当時の政治と経済の癒着を示す出来事として注目されました。

受章と死去

1992年には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。1997年9月5日、78歳でその生涯を閉じました。

家族と系譜

吉國二郎の父、吉國兼三は逓信省灯台局長を務めた官吏でした。また、内閣法制局長官やプロ野球コミッショナーを務めた吉國一郎は彼の兄にあたります。この二人の華麗な経歴から、彼らは「吉國賢兄弟」と称されることがあります。

妻の尚子は後藤環爾の二女であり、長男の吉國眞一は日本銀行ロンドン駐在参事を務めました。次男の吉國浩二はNHK専務理事、三男の吉國裕三は北里大学教授を務めるなど、子供たちも各界で活躍しています。

また、吉國二郎は財団法人金融情報システムセンター理事などの要職も歴任しました。

その他

吉國家の系譜図にあるように、宮澤泰の娘である汪子とゆりが、それぞれ吉國二郎の妻と子供に繋がっています。

吉國二郎は、官僚、実業家として日本の経済と社会に大きく貢献した人物であり、その生涯は多くの人々に影響を与えました。

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