吉松機関区

吉松機関区

吉松機関区は、かつて鹿児島県姶良郡吉松町（現在の湧水町）の吉松駅に隣接して存在した、日本国有鉄道（国鉄）の機関区です。現在は九州旅客鉄道（JR九州）となっています。

歴史

1903年（明治36年）9月: 官設鉄道鹿児島線が吉松駅まで延伸開業した際に、吉松機関庫として開設されました。
1974年（昭和49年）4月27日: 吉都線での蒸気機関車運用が終了しました。
1974年（昭和49年）12月16日: 山野線直通貨物列車牽引機がC12形・C56形からDD16形に置き換えられ、吉松機関区配置の蒸気機関車の本線運用が終了しました。
1987年（昭和62年）3月1日: 吉松運転区に改組。この時点では既に車両配置はなく、乗務員区となっていました。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化に伴い、JR九州に継承されました。
1992年（平成4年）6月1日: 霧島高原鉄道事業部発足に伴い、同事業部吉松運輸センターとなりました。
2008年（平成20年）4月1日: 鹿児島鉄道事業部との統合により、霧島高原鉄道事業部は廃止されました。

所属車両

吉松機関区には、数多くの蒸気機関車が所属していました。以下に代表的な形式を記載します。

5700形 (在籍1931年)
8620形 (在籍1931年-1963年)
9600形 (在籍1933年-1937年)
B50形 (在籍1933年)
C12形 (在籍1933年-1937年)
C50形 (在籍1943年)
8550形 (在籍1949年)
C51形 (在籍1953年-1965年)
C55形 (在籍1963年-1965年)
C56形 (在籍1965年)
C57形
D51形

特にC55形52号機は、廃車後吉松駅前に保存されており、その雄姿を今も見ることができます。また、C56形91号機と92号機は、お召し列車牽引機として運転されたこともある特別な車両です。

車両の記号

所属車両の車体には、「吉」の記号が記されていました。これは、吉松機関区に所属していることを示すものでした。

乗務員の乗務範囲（1987年4月1日時点）

肥薩線（人吉 - 隼人）
日豊本線（宮崎 - 都城、隼人 - 西鹿児島）
鹿児島本線（出水 - 水俣）
吉都線（全線）
山野線（全線）

まとめ

吉松機関区は、かつて肥薩線、吉都線、山野線といった路線の蒸気機関車を支えた重要な拠点でした。蒸気機関車の運用終了後は運転区、運輸センターと組織を変えながら、鉄道員を支え続けました。現在ではその姿を変えましたが、その歴史は地域の鉄道史に深く刻まれています。

関連項目

日本の車両基地一覧
霧島高原鉄道事業部

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