吉江石之助

吉江石之助について



吉江石之助(よしえ いしのすけ)は、1866年慶応2年)に福井藩士の家に生まれ、1935年昭和10年)に70歳で亡くなった、大日本帝国陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将で、正四位勲二等功四級の位階勲等功級を授与されています。

生い立ちと初期の軍歴


吉江石之助は、福井藩士・吉江徳衛の長男として生まれました。1894年(明治27年)に家督を相続し、本籍を東京府、のちに静岡県に移しています。1891年(明治24年)には陸軍士官学校を第2期生として卒業し、翌年には陸軍歩兵少尉に任官しました。その後、1902年(明治35年)には陸軍大学校を第16期生として卒業し、軍人としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

軍人としての活躍


吉江は、東京防禦総督部副官、近衛師団副官、第13師団参謀、歩兵第31連隊附、第14師団参謀、歩兵第59連隊附といった役職を歴任し、1912年(明治45年)4月には陸軍歩兵大佐関東都督府高級参謀に任官しました。この間、日清戦争日露戦争に従軍し、実戦経験を積みました。1913年(大正2年)7月には歩兵第47連隊長、1915年(大正4年)4月には第5師団参謀長に就任し、着実に昇進を重ねました。

シベリア出兵と晩年


1917年(大正6年)8月には陸軍少将・歩兵第30旅団長に任官し、シベリア出兵に従軍しました。旅団長としてザバイカル方面における警備と治安維持に当たりました。1921年(大正10年)7月には陸軍中将に進級し、同時に待命、同年11月に予備役に編入されました。1930年昭和5年)4月には後備役に編入されています。

著作活動


吉江石之助は、軍務の傍ら、著作活動も行っており、『大姑陥戦紀念録』(1901年)を著しました。また、1933年には『明治天皇御製読本. 天之巻 忠君愛国篇』と『明治天皇御製読本. 人之巻 御聖徳篇』を監修しました。

栄典と親族


吉江石之助は、正四位の位階を持ち、勲二等瑞宝章、勲二等旭日重光章、功四級金鵄勲章を受章しています。また、外国勲章として第三等双龍宝星、第二等双龍宝星、第二等陸軍武功勲章(スペイン)を授与されています。

親族には、妻の吉江たけ(陸軍中将・小野寺重太郎の妹)、長男の吉江誠一(陸軍中佐、第7代陸上幕僚長)、長女の澄子(陸軍軍人・小野操一郎の妻)、次女の富美子(陸軍中将・村木竹雄の妻)、妹の花野(陸軍軍人・吉見隆治の妻)がいます。吉江家は、軍人一家として知られています。

まとめ


吉江石之助は、明治から昭和にかけての激動の時代を軍人として生き抜き、数々の戦役に参加し、その経験を後世に伝える著作を残しました。彼の生涯は、日本の近代史を理解する上で重要な手がかりとなります。

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