吉田口駅

吉田口駅（よしだぐちえき）

吉田口駅は、広島県安芸高田市甲田町下小原に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）芸備線の駅です。

概要

駅名の由来は、かつて高田郡の中心地であった吉田町（現在の安芸高田市吉田町）への入口であることから名付けられました。しかし、駅の場所は実際の吉田町への入口よりも約1km南に位置しており、これは将来的な吉田町への分岐線建設を考慮したためです。駅自体は小規模で、吉田町の中心部からも離れています。

かつては急行列車の一部が停車していましたが、急行列車が廃止される頃には全ての列車が通過するようになり、現在では快速「みよしライナー」も停車しません。安芸高田市発足時は、市の代表駅としての役割を担っていました。

歴史

芸備鉄道の建設時、当初は技術的な問題から吉田町を経由しないルートが計画されていました。しかし、吉田町は町の存続に関わる問題として、吉田町を通るルートでの鉄道建設を強く要望しました。吉田町は複数の代替ルート案を提示しましたが、技術的に困難と判断され、最終的には吉田町の入口に駅を設置すること、そして将来的な吉田町への分岐線建設が容易なように南側に駅を設置することを条件に、吉田町を経由しないルートでの鉄道建設が認められました。こうして、吉田口駅が設置されることになったのです。

延伸計画

吉田口駅は、単に吉田町への入口駅として設置されただけでなく、将来的に吉田方面への路線を分岐させることも視野に入れていました。1922年4月11日に鉄道敷設法が改正されると、「広島県吉田口附近ヨリ大朝附近ニ至ル鉄道」として、吉田口駅から吉田町を経て大朝町に至る鉄道が予定線となりました。その後、この区間の鉄道敷設を目指す芸石鉄道が1927年（昭和2年）2月12日に設立されましたが、着工には至りませんでした。

年表

1915年（大正4年）4月28日：芸備鉄道の開業時に開設。
1937年（昭和12年）7月1日：芸備鉄道が国有化され、鉄道省芸備線の駅となる。
1971年（昭和46年）12月10日：貨物取扱を廃止。
1985年（昭和60年）3月14日：荷物扱いを廃止。
1986年（昭和61年）4月1日：無人駅化。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となる。
1989年（平成元年）：再度無人駅化（簡易委託駅化）。
1992年（平成4年）11月：現在の駅舎が竣工。
2018年（平成30年）7月6日：豪雨災害により営業休止。
2019年（平成31年）4月4日：三次駅 - 中三田駅間で暫定的に運転再開。

駅構造

島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。線路西側にある駅舎は集会所との合築で、「プラットハウス」というお好み焼き店が営業しています。この駅舎は旧吉田町ではなく旧甲田町が建設し、地元の小原地域振興会が指定管理者として管理しています。駅舎からホームへは構内踏切で連絡しています。

現在は三次鉄道部管理の簡易委託駅ですが、休業中のため無人駅となっています（再開時期は未定）。

のりば

2016年3月現在、ホームの方面案内板にはのりば番号が表示されています。上り線は両方向からの入線・発車に対応していますが、1線スルーではありません。

利用状況

1日平均乗車人員は以下の通りです。

（データは省略）

駅周辺

駅前を横切る道路には「吉田口ふれあい通り」という愛称が付けられており、その道路との交差点から広島県道212号線が広島県道37号線へと続いています。駅付近は盆地ですが、駅方面から吉田地域の中心部へ直通する道路がないため、国道183号（江の川沿いの道路）を経由する必要があります。

バス路線

駅前ロータリー内にある「吉田口駅」停留所には、備北交通の高田南部線（吉田出張所 - 北部医療センター）が乗り入れています。

日曜・祝日は運休。
北部医療センター行きの最終便は志屋止まり。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

■芸備線

■快速「みよしライナー」

通過

■普通

甲立駅 - 吉田口駅 - 向原駅

脚注

（注釈、出典、関連項目、外部リンクは省略）

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