吉田早希 (柔道)

吉田早希（よしだ さき）は、1975年2月20日生まれ、奈良県奈良市出身の日本の柔道家です。現役時代は70kg級と72kg級で活躍し、身長は164cm。得意技は背負投と払腰でした。

幼少期から柔道との出会い

幼い頃、弟が柔道に打ち込む姿をよく見ていたことが、吉田選手が柔道に興味を持つきっかけとなりました。小学校4年生の時、弟が所属していた奈良クラブから勧誘を受け、柔道を始めました。中学校では女子部員が少なかったため、京都の城陽松本道場で本格的な稽古を積みました。当初は、試合で負けると父親から厳しく指導されたこともあり、柔道が嫌になることもあったそうです。しかし、近畿大会で2年連続優勝を果たすなど実績を重ねるうちに、柔道への気持ちも前向きに変わっていきました。

夙川学院高校での飛躍

高校進学の際、当時女子柔道が盛んだった大阪の桜宮高校か兵庫の夙川学院高校かで迷いましたが、夙川学院高校の吉岡行正監督の指導方針に魅力を感じ、進学を決めました。入学当初は知り合いがおらず、人見知りな性格も手伝って孤立感を味わうこともありましたが、徐々に学校生活に慣れていきました。1年生の時には、新設されたインターハイ女子団体戦で、1年先輩の藤原孝子選手とともに活躍し、決勝で柳川高校との代表戦を制して優勝に貢献。高校選手権では72kg級で優勝を果たしました。2年生の時も、インターハイ団体戦で藤原選手と協力してチームを勝利に導き、2連覇を達成。高校選手権でも決勝で勝利し、2連覇を成し遂げました。3年生の時には、インターハイ団体戦で3連覇を逃しましたが、世界ジュニアでは日本の女子選手として2人目となる金メダルを獲得しました。

大学・社会人での活躍

筑波大学に進学後は、全日本学生柔道優勝大会で2位、全日本学生選手権でも2位となるなど、悔しい思いも経験しました。しかし、正力杯で優勝、ユニバーシアードでも金メダルを獲得するなど、着実に実績を積み重ねました。ミキハウス入社後も、東アジア大会で優勝するなど活躍を続けましたが、オリンピック出場は叶いませんでした。

競技スタイルと引退後

吉田選手の柔道スタイルは、他の選手とは異なるタイミングで行う背負投、内股、払腰などが特徴で、ジュニア時代にはその強さで国内外を圧倒しました。しかし、シニアでは復帰してきた選手や階級を下げてきた選手との対戦で苦戦し、2位や3位になることが多く、ジュニア時代ほどの活躍を見せることはできませんでした。

夙川学院高校時代の同級生には、総合格闘技やサンボ、BJJで活躍した赤野仁美選手と藤井恵選手、1学年下にはシドニーオリンピックの78kg超級で銅メダルを獲得した山下まゆみ選手がいました。引退後は、奈良市内で中学校の教員として、次世代の育成に力を注いでいます。

主な戦績

72kg級での戦績

1990年: インターハイ 団体戦 優勝
1991年: 全国高校選手権 優勝
1991年: インターハイ 団体戦 優勝
1991年: ドイツジュニア国際 優勝
1992年: 高校選手権 優勝
1992年: インターハイ 団体戦 5位
1992年: ポーランドジュニア国際 優勝
1992年: 世界ジュニア 優勝
1992年: 全日本女子柔道強化選手選考会 3位
1992年: 福岡国際 優勝
1993年: 東アジア大会 3位
1993年: 体重別 3位
1993年: 全日本学生柔道優勝大会 団体戦 2位
1993年: 全日本学生選手権 無差別 2位
1993年: 福岡国際 2位
1994年: 全日本学生選手権 無差別 2位
1994年: 全日本女子柔道強化選手選考会 3位
1995年: 体重別 3位
1995年: 正力杯 優勝
1995年: ユニバーシアード 優勝
1995年: 福岡国際 2位
1996年: フランス国際 5位
1996年: 体重別 2位
1996年: 正力杯 優勝
1996年: アジア柔道選手権大会 優勝
1996年: 全国女子柔道体重別選手権大会 2位
1997年: ドイツ国際 優勝
1997年: 体重別 2位
1997年: 東アジア大会 優勝
1997年: アジア柔道選手権大会 3位

70kg級での戦績

1997年: 福岡国際 3位
1998年: フランス国際 3位
1998年: 体重別 3位
1998年: ワールドカップ団体戦 5位
1999年: 体重別 2位
1999年: アジア柔道選手権大会 3位
1999年: 全国女子柔道体重別選手権大会 3位
1999年: 福岡国際 2位

(出典: JudoInside.com)

脚注

外部リンク

* 吉田早希 - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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