吉祥院天満宮

吉祥院天満宮：日本最古の天満宮の歴史と魅力

京都市南区吉祥院政所町に鎮座する吉祥院天満宮は、菅原道真公を主祭神とする神社です。古くから「日本最初の天満宮」として知られ、その歴史は平安時代初期まで遡ります。

菅原家と吉祥院の深い繋がり

吉祥院天満宮の歴史は、菅原道真公の曽祖父である土師古人（はぜのふるひと）が平安京遷都の際に桓武天皇に仕えたことに始まります。土師古人は賜った土地に邸宅を構え、その後、菅原清公の代に菅原姓を名乗るようになりました。

清公は遣唐使として唐に渡る際、嵐に遭遇しますが、吉祥天女の加護により難を逃れます。この経験から、菅原家は吉祥天を信仰するようになり、清公または道真公の父である菅原是善が、自邸内に吉祥天を祀る吉祥院を建立しました。最澄が吉祥天の開眼供養を行ったという伝承も残っています。この吉祥院が、現在の地名「吉祥院」の由来となっています。

道真公の生誕と怨霊鎮魂

菅原道真公は、承和12年（845年）にこの地で誕生し、18歳になるまで過ごしたと伝えられています。延喜3年（903年）、道真公が大宰府で亡くなると、大和国の吉野で修行していた日蔵上人が道真公の霊から託宣を受け、朱雀天皇に奏上しました。天皇は、道真公の怨霊を鎮めるため、承平4年（934年）に勅願により吉祥院聖廟と社殿を建立し、道真公の霊を祀りました。これが吉祥院天満宮の創建です。北野天満宮よりも古い創建とされることから、日本最初の天満宮と伝えられています。

天正年間からの歴史と近現代

天正18年（1590年）には豊臣秀吉によって社領を没収されるなど、幾多の変遷を経験してきました。明治時代の廃仏毀釈においても、吉祥天像と吉祥院は守られ、現在も神仏習合の面影を残す仏堂建築として存在しています。神仏習合の名残として、重要無形民俗文化財に指定されている「吉祥院六斎念仏」が春季大祭と夏季大祭に奉納されています。

境内と見どころ

境内には、本殿、拝殿、祝詞殿、金のなで牛くぐり牛、文章院などの建物や、菅原道真公ゆかりの胞衣塚、硯之水、鑑の井などが点在しています。また、吉祥天女を祀る吉祥院（吉祥天女社）をはじめ、五社、白太夫社、松梅社、吉野社、琴比羅社、秋葉山、稲荷社、弁財天社など、多くの摂末社が境内や境外に祀られています。神仏習合の名残が色濃く残る吉祥院は、必見のスポットです。

吉祥院天満宮の祭事

吉祥院天満宮では、歳旦祭、爆竹祭（大とんど）、節分祭、春季大祭（吉祥院六斎念仏）、雷除祭、菅公御誕辰祭、夏越の大祓、夏季大祭（吉祥院六斎念仏）、例祭（秋祭）など、様々な祭事が一年を通して行われています。特に、重要無形民俗文化財である吉祥院六斎念仏は、見応えのある行事です。

アクセス情報

吉祥院天満宮へのアクセスは、最寄りのバス停である「吉祥院天満宮前」からすぐです。JR京都線西大路駅から徒歩約15分というアクセスも魅力です。

まとめ

吉祥院天満宮は、歴史と文化が深く息づく神社です。菅原道真公ゆかりの史跡や神仏習合の名残、そして重要な文化財など、見どころ満載です。京都を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。 その歴史と神秘的な雰囲気に、きっと魅了されることでしょう。

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