名古屋市営地下鉄桜通線

桜通線の概要

愛知県名古屋市を結ぶ桜通線は、太閤通駅を起点に徳重駅までの約19.1キロメートルを走る名古屋市営地下鉄の一つです。この路線は、名古屋市の交通網において重要な役割を果たしており、「鉄道要覧」では6号線桜通線と記載されています。エレベーターやエスカレーターといったバリアフリー設備が整備されており、すべての駅に可動式ホーム柵が設置されています。

路線の構造

桜通線は、名古屋市中心部の繁華街を経由し、名古屋駅から久屋大通駅、今池駅へと至ります。この区間は、主要な幹線のバイパスとなる役割を果たしており、かつての混雑緩和のために建設されました。太閤通駅は愛知県道68号名古屋津島線の地下に位置し、周辺には環状線が交差しています。このため、名古屋市内の様々な交通手段と接続しやすい利点があります。

桜通線は、名古屋市内の鉄道交通のなかでも特に深い位置を走り、最深部では丸の内駅の深度が24メートルに達します。一方、終点徳重駅へ向かう区間は、天白川の地下を通っており、名古屋市営地下鉄で唯一の複線シールド構造を採用しているため、両方向の列車がすれ違う様子を観察できます。

駅と運行形態

桜通線には現在、21駅が設置されており、全線が複線で電化されています。すべての列車は各駅停車で運行されており、運転間隔は平日朝ラッシュ時で4分、夕方6分、土日祝は7.5分から10分程度です。終電はそれぞれ太閤通駅発及び徳重駅発の便が設定されています。

桜通線は、名城線や東山線と合わせて名古屋市内の交通のストレスを軽減するために運用されています。また、この路線はATC（自動列車制御装置）およびATO（自動運転装置）を利用したワンマン運転が採用されており、運転士のみの乗務が行われています。

車両について

桜通線は、6050形電車をはじめ、2形式5両編成が使用されており、すべての車両がVVVFインバータ制御を採用しています。運転台はホームの近くに設置されているため、乗務員はモニターテレビを用いてドアの開閉や発進操作を行い、安全運行を確保しています。また、女性専用車両は設けられていませんが、毎日多くの利用者に支持されています。

居住地域との関わり

桜通線が走るエリアは、名古屋市南東部の住宅開発が進む地域であり、人口の増加に伴いこの路線の利用者も増加しています。特に徳重駅周辺は、今後の都市開発にも期待が寄せられている地域です。連絡運輸がない他社路線との接近駅も存在するため、利用者にとって利便性の高い路線となっています。

今後の展望

桜通線の延伸計画は存在しますが、現段階では資金面や事業の優先順位の問題から実現の目処は立っていない状況です。今後の名古屋市における公共交通の充実に対して、桜通線は引き続き重要な役割を果たす存在であり、地域の発展とともに進化が期待されます。

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