名古屋抗争

名古屋抗争

名古屋抗争は、1991年1月26日から同年2月12日にかけて愛知県名古屋市で発生した、五代目山口組（組長：渡辺芳則）弘道会（会長：司忍）と運命共同会鉄心会との間で繰り広げられた暴力団抗争事件です。この抗争は「名古屋戦争」とも呼ばれています。

抗争勃発までの経緯

1983年の中京戦争後、運命共同会（鉄心会、中京浅野会、平井一家が参加）、導友会、稲葉地一家、瀬戸一家、平野一家は、中京五社会を結成し、互いに連携を強めていました。

1991年、運命共同会に所属していた鉄心会の一部組員が、五代目山口組弘道会への移籍を希望しました。その背景には、当時名古屋の繁華街で勢力を拡大していた弘道会若頭の高山清司が、露天商を統括していた鉄心会に目を付けたことがありました。また、鉄心会の一部も弘道会の勢力を利用しようとしていました。しかし、運命共同会は移籍を求めた鉄心会の組員全員を破門処分としました。

名古屋抗争の勃発

1991年1月26日、名古屋市千種区の路上で、運命共同会鉄心会の組員が弘道会の組員に銃撃され重傷を負いました。この銃撃を受けた鉄心会組員は、弘道会への移籍を拒否していた人物でした。

1991年1月28日には、鉄心会伊藤組組長の自宅兼中古車販売会社に銃弾10発が撃ち込まれる事件が発生しました。

1991年1月30日、鉄心会の企業舎弟であった不動産業者2名が車内で射殺されるという事件も発生し、抗争は激化の一途を辿りました。

1991年2月12日、弘道会と運命共同会は和解し、抗争は終結しました。

抗争終結後の影響

抗争後、運命共同会は組織として瓦解し、中京五社会も解散しました。

1991年3月、瀬戸一家の渡辺啓一郎総裁は五代目山口組の渡辺芳則組長から盃を受け、山口組直参となりました。

その後、中京浅野会、平野屋一家、導友会、稲葉地一家は弘道会の傘下に入りました。鉄心会は「鉄心一家」と名前を変え、稲川会直参となりましたが、2006年に四代目の分裂騒動を機に稲川会を脱退しました。2011年には「二代目鉄心興業」として弘道会傘下に入りましたが、2013年に解散しました。

名古屋抗争を題材にした作品

• - Vシネマ『実録・名古屋やくざ戦争 統一への道』（2004年、石原興監督、GPミュージアムソフト）

参考文献

• - 芹沢耕二、鴨林源史 『実録 王道ヤクザ伝 山口組六代目 司忍』竹書房、2007年、ISBN 978-4-8124-6604-9

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