名士バス

名士バス株式会社（めいしバス）

名士バスは、北海道名寄市に本社を構え、地域に密着したバス事業を展開している企業です。その歴史は古く、1931年（昭和6年）に設立された中央自動車合資会社に遡ります。

歴史

黎明期と統合、そして独立

名士バスのルーツは、1931年に設立された中央自動車合資会社です。その後、北海道における旅客自動車運輸事業統合要綱に基づき、1944年（昭和19年）に道北乗合自動車（現在の道北バス）に統合され、同社の名寄営業所となりました。しかし、統合直後は配車がわずか1台、営業日数もゼロという休業状態でした。

終戦後、1946年（昭和21年）には配車4台、営業日数145日まで回復し、徐々に事業を再開。そして1955年（昭和30年）4月1日、名寄営業所は名士バス株式会社として、道北バスから分離独立を果たしました。

社名の由来は、名寄と士別から一文字ずつ取ったもので、かつては士別営業所を設置し、名寄 - 士別間などの路線バスを運行していました。

市内循環バスの運行

名寄町が市制を施行する前月の1956年（昭和31年）3月には、市内循環バスの運行を開始しました。午前7時に右回りが、10分後には左回りが発車し、その後は10分間隔で交互に午後7時50分まで、合計78便が運行されました。

左回りは名寄駅前を出発後、大通を北4丁目で左折、西4条北4丁目を南下し、西4条南6丁目から名寄駅前に至るルート。右回りはその逆ルートでした。運賃は大人・小人とも一律10円でした。

路線再編と合理化

1962年（昭和37年）4月には、士別営業所管轄路線を士別軌道に譲渡し、士別地区から撤退しました。その後、郊外線を含めて利用客は増加し、1965年（昭和40年）前後には恩根内線や下川鉱山線の年間利用者数が42万人に達するなど、ピークを迎えました。

しかし、過疎化やモータリゼーションの影響により、1970年（昭和45年）頃から乗客が減少傾向となります。同年3月には市内線のワンマン運転化、1973年（昭和48年）には恩根内線の減便と下川鉱山線、一の橋線のワンマン化、1974年（昭和49年）には下川パンケ線と下川サンル線の廃止など、合理化が進められました。

鉄道廃止による代替路線の運行開始もあったものの、これらの路線も含めて廃止や減便、デマンドバス（タクシー）化などの合理化が図られています。

市街地拡大と新たな路線

一方で、市街地の拡大により、区域外からの運行要望が高まりました。1975年（昭和50年）7月より左回りを廃止し、西地区昭和通への運行を開始しましたが、利用客は少なく、1便あたり1.5人という状況でした。

同年には北地区からも運行要望がありましたが、採算が合わないとの見解から一度は見送られました。しかし、1979年（昭和54年）に試験運行を行い、同年12月より臨時運行を開始。1985年（昭和60年）からは、10月15日 - 4月30日の冬期のみ、名寄市からの運行補助を条件に運行されることとなりました。現在は自衛隊線として通年運行されています。

平成に入ると、市街地の更なる拡大や公共施設の分散により、これらを結ぶ東西路線の運行要望が高まりました。1996年（平成8年）に東西線が開設され、保健所、市立病院、市民文化センターなどが1本の路線で結ばれることとなりました。2008年（平成20年）には、イオン名寄ショッピングセンターの開業に伴い、徳田線が新設されています。2012年（平成24年）には、コミュニティバス実証として、市内線循環線と東西線がそれぞれ西まわりと東まわりに再編され、バスも小型化されました。

名士バスは、時代の変化に対応しながら、地域住民の生活を支える公共交通機関として、その役割を果たし続けています。

営業所

本社・本社営業所
北海道名寄市西4条南10丁目1番地4

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